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RFPとは?ホームページのリニューアルで良質な提案を受ける方法

ホームページのリニューアルを成功させるためには、最適なWeb制作会社を見つけて、良質な提案を受けてプロジェクトを実施していく必要があります。

そこで重要な役割を果たすのが「RFP」です。

今回は、ホームページのリニューアルにおけるRFPについて解説します!

ホームページのリニューアルにおけるRFPとは?

RFPとは、「Request for Proposal」の略で直訳すると「提案のための依頼」で、「提案依頼書」のことを指します。

システム開発や業務委託などを行う時に、発注先に対して具体的な提案を依頼するときに使用される文書のことです。

ホームページのリニューアルにおいては、リニューアルの目的や概要、自社の現状や課題、予算、納期などが記載されることが一般的です。

発注先の制作会社は、このRFPに記載された情報をもとに提案書を作成します。

RFPはどのような場合に必要?どのような場合に不要?

制作会社に提案を依頼するときに作成するRFPですが、どのような場合に「必要」で、どのような場合には「不要」なのでしょうか?

ホームページのリニューアル時にRFPが「必要」な場合

ホームページのリニューアル時にRFPが必要なのは、以下3つの場合です。

  • Web制作会社をコンペで選定する場合
  • 複数の部署や上長などへの決裁が必要な場合
  • ホームページのリニューアル要件が詳細に決まっている場合

それぞれの場合について、詳しく解説します!

Web制作会社をコンペで選定する場合

複数のWeb制作会社からコンペで発注先を選定する場合、1社ずつ打ち合わせを行い、ヒアリングを受けて回答を行うのは多大な時間がかかり、現実的ではありません。

RFPを作成してコンペの参加企業に送付すれば、1社ずつ細かく要望を伝える手間が削減できます。

また、同じ内容のRFPを参加企業に送付することで、複数の制作会社からの提案を同じ基準で比較し評価することができます。

一方で、RFPが無い場合、コンペの参加企業がそれぞれ異なる方向性で提案を行う可能性があり、評価を行うことが難しくなります。

複数の部署や上長などへの決裁が必要な場合

例えば、Web担当部署がある会社でホームページリニューアルには、複数の部署や上長などへの決裁が必要な場合を考えてみます。

この状況で、Web担当部署が直接、Web制作会社に相談を行い、この2者間のみでヒアリングを実施し提案を行ったとします。

この提案内容を他の部署に確認してもらった結果、その部署の意向に沿った内容ではなければ、Web制作会社に提案し直してもらう必要があります。上長などへの確認についても同様です。

このように複数の部署や上長などへの決裁が必要な場合は、ホームページリニューアルを取り仕切る部署が社内でヒアリングを行い、ホームページリニューアルの目的や方向性、掲載コンテンツなどを固めてRFPに落とし込むべきです。

社内で共通認識を持ったRFPをもとにWeb制作会社に提案依頼を行うことで、認識の違いを防ぐことができます。

ホームページのリニューアル要件が詳細に決まっている場合

ホームページのリニューアル要件が詳細に決まっている場合、RFPが必要です。

社内で既に詳細が決まっているのに、ゼロの状態からWeb制作会社と打ち合わせをして、提案を行ってもらうと、本来行いたいリニューアルと乖離した提案になる可能性があるためです。

必ず掲載しないといけない情報やCMSなどのシステム要件の制約などがある場合は、RFPに落とし込み、Web制作会社に共有するようにしましょう。

ホームページのリニューアル時にRFPが「不要」な場合

ホームページのリニューアル時にRFPが不要なのは、以下3つの場合です。

  • Web制作会社に現状分析から依頼したい場合
  • ホームページ制作に関する知見が社内にない場合
  • 簡易的な案件の場合

それぞれの場合について、詳しく解説します!

Web制作会社に現状分析から依頼したい場合

そもそもRFPを作成するためには、自社のホームページや事業の現状や課題を理解した上で、リニューアルの目的を定め、詳細に落とし込む必要があります。

自社のホームページの現状や課題がわからなければ、RFPを作ることはできません。

このようにWeb制作会社に現状分析から提案までまとめて依頼したい場合は、RFPの作成は不要です。

ホームページ制作に関する知見が社内にない場合

RFPを作成し、Web制作会社と認識を合わせるためには、依頼側にもホームページ制作に関する知見が必要です。

ホームページ制作に詳しい担当者や専門の部署がある場合は問題ありませんが、ホームページ制作に関する知見が社内にない場合は、あえてRFPを作成せずにWeb制作会社に相談した方が、スムーズに進む可能性があります。

簡易的な案件の場合

RFPは全ての案件に絶対に必要なものではありません。

部分的なリニューアルなど簡易的な案件の場合、RFPを作成せず直接Web制作会社に依頼しても問題ありません。

RFPを作成するメリット・デメリット

次にホームページのリニューアルにおいてRFPを作成する「メリット」と「デメリット」を紹介します。

ホームページのリニューアル時にRFPを作成する「メリット」

ホームページのリニューアル時にRFPを作成するメリットは以下の3点です。

  • Web制作会社からの提案の質が上がる
  • 複数のWeb制作会社の提案を評価しやすくなる
  • 発注後のトラブルを未然に防ぐことができる

それぞれのメリットについて、詳しく解説します!

Web制作会社からの提案の質が上がる

RFPを作成するとWeb制作会社に対して要望を正確に伝えることができます。

その結果、Web制作会社は提供された要件に基づいて提案を作成することができるため、提案の質が上がります。

一方で、RFPが無い場合、依頼側が期待していた内容とずれた提案を受けることになる可能性があります。

複数のWeb制作会社の提案を評価しやすくなる

複数のWeb制作会社に提案を依頼する場合、RFPがあると、Web制作会社側は同じ情報と要件に基づいて提案を行うことになります。

これにより、どのWeb制作会社の提案が最もRFPの要件を満たしているかを効率的に評価することができます。

RFPが無い場合、Web制作会社によって提案の方向性が大きく異なってしまう可能性があり、評価基準もないため、どの会社に選定するかの判断が難しくなってしまいます。

発注後のトラブルを未然に防ぐことができる

RFPを作成しておくことで、社内間・制作会社間でホームページリニューアルについての共通認識を持つことができます。

その結果、認識の違いを少なくすることができ、発注後のトラブルを未然に防ぐことができます。

RFPが無い場合、「本当は●●の機能も必要だった」「●●が必要なことは発注の段階で聞いていない」など認識の違いによるトラブルが発生する可能性があります。

ホームページのリニューアル時にRFPを作成する「デメリット」

ホームページのリニューアル時にRFPを作成するデメリットは以下の3点です。

  • RFPの作成自体に時間と手間がかかってしまう
  • RFPに記載している以上の提案が受けられない可能性がある
  • コンペを開催する場合、受けてくれないWeb制作会社が存在する

それぞれのデメリットについて、詳しく解説します!

RFPの作成自体に時間と手間がかかってしまう

RFPを作成するためには、社内でヒアリングを行い要件を整理し、資料にまとめる必要があります。

この作業には、当然時間と手間がかかってしまいます。

RFPを作成してWeb制作会社に提案を依頼を行うのが良いか、直接Web制作会社に相談をした方が良いのか、どちらが効率的かを事前に考えるようにしましょう。

RFPに記載している以上の提案が受けられない可能性がある

RFPを作成すると、その要件を満たす提案を受けることはできますが、それ以上の提案を受けれないというデメリットがあります。

これは、Web制作会社は、RFPから逸脱した内容を提案すると選定されない可能性が高まるため、より良い提案があったとしてもRFPに沿った提案を行うことがあるからです。

また、Web制作会社はRFPに沿った提案を行うため、RFPの精度がプロジェクトの成否に影響を与えてしまいます。

コンペを開催する場合、受けてくれないWeb制作会社が存在する

RFPを作成して複数のWeb制作会社から選定を行うコンペを開催する場合、コンペに参加してくれないWeb制作会社が存在します。

Web制作会社は、コンペに参加し提案を行うために人件費が発生するだけでなく、選定されるかどうか不明な案件のためにリソースを確保しておく必要があります。

このため、直接依頼を受けることのできるWeb制作会社は、コンペに参加したがらない傾向にあります。

コンペを開催するときは、その結果、優秀なWeb制作会社に依頼できなくなる可能性を考慮しておきましょう。

このデメリットについて、コンペの開催を無償ではなく有償で開催し、参加企業に対して提案費を支払うことで、ある程度解消することができます。

コンペを開催する場合は、デザイン案作成費用や提案書作成費用などWeb制作会社の業務に対して適切な費用を支払うようにしましょう。

ホームページのリニューアルにおけるRFP作成から納品までの流れ

ここまで、ホームページのリニューアルにおいてRFPが必要な場合・不要な場合、RFPのメリット・デメリットについてお伝えしてきました。

次に、RFPの作成からホームページの納品までの流れを紹介します!

ホームページのリニューアルのプロジェクトが発足

まず、社内でホームページリニューアルのプロジェクトが発足します。

Web担当部署が無い場合は、広報部が担当したり、他部署の社員が兼務で担当したりすることがあります。

ホームページのリニューアルについての社内ヒアリング

ホームページリニューアルの担当部署が、社内の様々な部署にホームページの現状の課題やリニューアル時の要望などをヒアリングします。それらを取りまとめて、ホームページリニューアルの目的を定めていきます。

RFP(提案依頼書)の作成

社内ヒアリングの内容をもとに実際にRFPを作成します。

RFPに記載する内容については、後ほどまとめて紹介します。

Web制作会社の候補選定

提案依頼を行う、Web制作会社の候補を選定します。

RFPの内容を満たすことのできる専門性や技術力のある会社を候補として選定します。

Web制作会社にRFP(提案依頼書)を送付

候補先のWeb制作会社にお問い合わせを行い、承諾が得られれば、RFPを送付します。

RFPに対して、Web制作会社からの質問があれば回答します。

Web制作会社から提案書を受領・プレゼンを実施

Web制作会社から提案書を受領し、必要に応じてプレゼンを実施してもらいます。

Web制作会社の選定

提案書の内容とプレゼンの内容をRFPと照らし合わせ、社内で最適なWeb制作会社を選定します。

Web制作会社への発注・制作開始

選定したWeb制作会社に発注を行い、制作を開始してもらいます。

納品・検収

完成したホームページが要求した内容を満たしているか確認して、問題なければ、ホームページリニューアルのプロジェクト完了です。

ホームページのリニューアルにおけるRFPに記載するべき項目

最後に、ホームページリニューアルのプロジェクトでRFPに記載するべき項目について紹介します。

RFPに最低限必要なのは「目的」「予算」「納期」

株式会社WACULが実施したアンケートによると、「Q.Webサイト制作の相談を受けるとき、依頼主から提示してほしい条件(RFPの項目)を教えてください。」という設問に対して、RFPの項目として「必ず欲しい」が過半数を超えたのは「Webサイトの目的」「納期」「予算」の3つのみで、それ以外は「あれば欲しい」程度という結果であった。

この結果から、Web制作会社側は、依頼主から「Webサイトの目的」「納期」「予算」のみを事前に伝えてもらえれば、Web制作会社側からヒアリングを行い、戦略策定から提案まで行うことができ、それを求めていることが考えられます。

RFPによく記載されている項目

依頼者の立場を考えると、社内での調整が必要なため、プロジェクトを円滑に進めるためにはRFPをきちんと作成する必要があるはずです。

RFPによく記載されている項目を以下にカテゴリ毎にまとめました。こちらの内容をもとに、必ず満たして欲しい要件や伝えておきたい内容をRFPに盛り込むようにしましょう。

カテゴリ項目
会社概要会社名、所在地、連絡先、事業内容、主要な製品やサービス、対象市場や顧客層、自社の強み、競合他社
プロジェクト概要現在のホームページの問題点、リニューアルの目的、リニューアルに期待する成果や目標(KGI/KPI)
ドメイン・サーバー使用中のドメイン・サーバー、CMS、SSL対応
要件と仕様デザインの方向性(参考サイト)、必要な機能(EC、決済、フォーム、CMS)、レスポンシブ対応、サイトマップ案、原稿や写真の提供
スケジュールと予算提案費用(デザイン案や提案書作成に対して支払う費用)、制作開始日、納期、制作予算、支払いスケジュール
提案要求事項制作スケジュール、お見積り、デザイン案、コンテンツ案、体制図
その他の要求事項法的要件、契約条件、アクセス解析、公開後の保守やサポート

まとめ

ここまでホームページのリニューアルにおけるRFPについて詳しく解説してきました。

記事内でお伝えしたように、RFPは作成するメリットもありますが、デメリットもあります。

ホームページのリニューアルを成功させるためには、RFPを細かく作成するべきか、最低限の内容にするべきか、コンペを実施しべきか、実施せずに直接依頼するべきか、自社の状況やプロジェクトの内容に応じて選択するようにしましょう。