はじめに
自社のWebサイト制作を検討する際、様々な制作会社があり、どこに発注すれば良いのか悩んでしまうものです。
満足できるWebサイトにするためには、信頼できる制作会社を選択することが重要です。本記事では、制作会社を得意分野や会社規模で分類し、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
ビジネスのニーズや予算に合わせ、最適な発注先を見つける参考にしてください！
発注先を選ぶ前に準備すること
Web制作を検討する際、いきなり発注先を調べるのではなく、まずはどのようなWebサイトを制作したいのかイメージを整理することが重要です。
事前準備をしておくことで、目的に合った制作会社を選定しやすくなり、制作会社にもより具体的な完成イメージを伝えることができます。これにより満足度の高いWebサイトに仕上げることができます。
事前に準備しておくべき項目を4つ紹介します！
Webサイトの制作目的
まずは、Webサイトを制作する目的を明確にすることが重要です。Webサイトによって、何を成し遂げたいのかを整理してみましょう。
以下に、よくあるWebサイトの種類を整理しました。いきなり目的を考えるのが難しい場合は、これらの種類からイメージに近いものを選択し、さらに具体的な目的を考えるとイメージしやすいでしょう。
コーポレートサイトは企業のオンライン上での顔とも言えます。主に企業情報や製品・サービス情報、ニュースやお知らせなどを発信するために使用されます。
企業の信頼性と専門性を高め、ブランドイメージを構築する役割があります。
オウンドメディアサイトは企業が自らのメディアを運営し、顧客との関係を深めるために使用されます。
コンテンツマーケティング戦略の一環として、企業の価値観や専門知識を発信し、顧客との信頼関係を築くことを目的としています。
採用サイトは企業の採用活動を支援するために使用されます。
企業文化や働く環境、福利厚生などを掲載し、優秀な人材の獲得と企業の魅力をアピールする役割があります。
ECサイトは製品やサービスの販売を行うためのオンラインショップです。
商品の魅力を伝えることと、購買の容易さを提供することが主な目的です。顧客との信頼関係を構築し、売上の増加を図ることが期待されます。
LP（ランディングページ）は特定の製品やサービス、キャンペーンなどへの集中的なアプローチを行います。
主な目的はユーザーの関心を引き付け、特定の行動（問い合わせや購入、来場など）を促すことにあります。コンバージョン率を高めるために必要な情報を端的に、魅力的に伝えることが求められます。
ターゲット層
ターゲット層を明確にすることは、効果的なコンテンツやデザインの作成に不可欠です。制作会社に具体的なターゲット層の情報を伝えることで、より的確なコンセプト、最適なコンテンツ設計を提案してくれます。
Webサイトの希望納期
Webサイトの納期はプロジェクトのスケジュールを決定する重要な要素です。いつ公開したいのか、希望する納期を明確にすることで、制作会社はそれに見合ったスケジュールや作業プランを立てることができます。時間的な制約や目標を考慮し、実現可能な納期を確保することが重要です。
制作予算
Webサイトの制作予算は、最終的な成果に大きく影響する重要な要素です。予算を明確にすることで、制作会社はそれに見合った提案やプランを提示することができます。予算の範囲内で最大限の効果を得るために、予算を事前に決定し、プロジェクトのスコープに応じた提案を受けることが重要です。
制作会社の得意分野で選ぶ
Web制作会社を選ぶ際、その会社が得意とする分野や技術を把握することが重要です。各制作会社は特定の分野での経験や実績を持っており、それによって提供できるサービスの質や内容が異なります。
ブランディング・デザインが得意
デザインとブランディングに特化した制作会社は、単なる見た目の良さだけでなく、企業のアイデンティティやブランドの価値を視覚的に伝える能力に優れています。彼らは色彩、タイポグラフィ、イメージ、レイアウトなど、各要素を戦略的に組み合わせて、ターゲット層に強烈な印象を与えるデザインを提供します。
- ブランディングを意識したコーポレートサイト
- 採用サイト
上記のような新しいブランドやプロダクトのローンチ、または既存のブランドのリフレッシュを計画している企業に適しています。ロゴや自社パンフレットなども見直し、競合他社と差別化されたブランドイメージを築き、一貫したデザインで自社をPRすることができます。
SEOが得意
SEO（検索エンジン最適化）に長けた制作会社は、サイトの構造やコンテンツ、内部・外部のリンク戦略など、検索エンジンでのランキングを向上させるための技術や知識を豊富に持っています。最新のSEOトレンドやアルゴリズムの変更に常に対応しており、検索エンジンでの可視性を最大化するための方法を提案できます。
- （SEOを意識した）コーポレートサイト
- リスティング広告用のLP（ランディングページ）
- オウンドメディア
上記のようなSEOを重視したい企業や、オンラインでの集客を主要な収益源と考えているビジネスを展開するWebサイトに適しています。特に競合が多い業界でのトップランキングを目指すWebサイトを持つ企業やブランドは、SEOに特化した制作会社を選ぶことが推奨されます。高い検索エンジンの順位は、多くの認知や流入をもたらし、ビジネスの成功に直結します。
高度なカスタマイズ・アプリ開発が得意
高度なカスタマイズやアプリ開発を得意とする制作会社は、一般的なWebサイト制作を超えて、特定のニーズや要件に合わせて独自の機能やサービスを開発する能力を持っています。プログラミングの知識が豊富で、APIの統合、データベースの設計、モバイルアプリの開発など、様々なテクノロジーに精通しています。
- カスタマイズの必要なCMS
- カスタマイズの必要なECサイト
- ホームページに合わせて顧客管理システムを作りたい
上記のように、既存のテンプレートやプラットフォームの機能だけではなく、独自の機能や操作性を求める企業やプロジェクトには、カスタマイズやアプリ開発に強い制作会社が最適です。特に、Eコマースの拡張、独自のユーザーインターフェース、企業内の特定の業務フローに合わせたカスタマイズなど、特別な要件がある場合におすすめです。
EC戦略が得意
EC戦略に特化した制作会社は、オンライン販売における戦略立案から実装までをトータルでサポートしてくれます。具体的には効果的なユーザーエクスペリエンスの設計、顧客の購買行動の分析、セキュアな決済システムの構築などが挙げられます。これにより市場トレンドを把握し、売上を最大化するための最適な戦略を考えることができます。
- ECサイト
製品やサービスをオンラインで販売するWebサイトが良い場合は、EC戦略に特化した制作会社が最適です。特に競争が激しいオンラインマーケットでの成功を目指す企業や、オンラインストアを拡大したい小売業者にとって、EC戦略の専門家は重要なパートナーとなります。
特定の業界が得意
特定の業界に特化した制作会社は、その業界の最新動向やニーズに合ったコンテンツ設計、専門用語の適切な使用などに対応してくれます。業界のトレンドや規制、市場の特性を熟知しており、顧客に最適なアプローチを提供します。また、業界特有の課題に対処するための専門知識を持っています。
- 病院・クリニックの公式サイト（コーポレートサイト）
- 工務店・不動産の公式サイト（コーポレートサイト）
特定の業界に絞って多数の制作実績を持つ制作会社を選ぶことで、より適切なサポートを受けることができます。特に法律、医療、不動産、食品など、規制が厳しく専門知識が要求される業界においては、業界に精通した制作会社の知識が不可欠です。
高度なセキュリティ対策が得意
高度なセキュリティ対策を得意とする制作会社は、高水準で安全性を確保したWebサイトやアプリケーション開発に対応してくれます。サイバー攻撃からの保護、データ漏洩のリスク管理、セキュリティプロトコルの実装に関する深い知識と経験を持っており最適な実装を提案してもらえます。また、定期的なセキュリティアップデートや脆弱性の監視も行い、最新のセキュリティ技術を取り入れることができます。
- 顧客情報を管理するWebサイト
- 支払い情報を管理するECサイト
顧客の個人情報や財務情報を取り扱うEコマースサイト、予約サイト、金融サービスサイトなど、セキュリティが必要とされるWebサイトでは、高度なセキュリティ対策に精通した制作会社が適しています。信頼と安全性は、オンラインビジネスにおける最も重要な要素の一つであり、これを確保することで、顧客の信頼を獲得することができます。
安価・短期納期が得意
安価・短期納期を得意とする制作会社では、コスト効率と迅速な制作を重視するクライアント向けのサービスを提供してくれます。効率的なワークフローと高度な生産性によって短期間かつ予算内でWebサイトを制作してくれます。
- キャンペーン商品やサービスのLP（ランディングページ）
- イベントのLP（ランディングページ）
新製品のローンチやイベントのプロモーションなど、迅速な対応が求められるプロジェクト、または制作予算が限られているスタートアップ企業などは、安価・短期納期を得意とする制作会社に依頼することが最適です。このような制作会社は、クオリティとコスト効率を両立させることで、クライアントのビジネス目標をサポートしてくれます。
制作会社の規模で選ぶ
Web制作会社の規模は、プロジェクトの性質やクライアントのニーズによって異なるメリットとデメリットを持っています。以下において、それぞれの規模について詳しく見ていきましょう。
大規模制作会社
制作に関わるスタッフが100名以上の規模
大規模制作会社は、多様なスキルを持つ大規模なチームを有しており、包括的なサービスを提供できます。大規模なプロジェクトに適しており、高度な専門知識や技術力を駆使して複雑な要件に対応できます。
制作の各工程に特化した技術者がチームを編成しているため、高品質な成果物の提供が可能です。また、大規模なプロジェクトにも対応でき、幅広い経験とリソースを活用することができます。
関わる人間が多くなる分、業務フローが画一的になりやすく、一部だけ先行して進めて公開したり、途中で仕様変更するなどの柔軟な対応が難しくなることがあります。また、営業、デザイナー、エンジニア等分業で制作していることが多いため、要望が思い通りに伝わらないことやコストが高くなる等の問題が発生する可能性もあります。
中規模制作会社
制作に関わるスタッフが10～100名程度の規模
中規模制作会社は、適度な規模のチームで、幅広いプロジェクトに対応できます。プロジェクトごとのカスタマイズやクライアントとのコミュニケーションを重視し、柔軟な対応が可能です。
個々のプロジェクトに焦点を当てたサービスを提供できるだけでなく、大規模企業よりもコストが低く、柔軟性も保持しています。
大規模プロジェクトに対応する際に、大規模企業ほどのリソースや専門知識を提供できない可能性があります。
小規模制作会社
制作に関わるスタッフが10名未満の規模
小規模制作会社はアットホームな雰囲気で、クライアントとの緊密なコミュニケーションを重視します。プロジェクトごとに柔軟な対応が可能で、個別のニーズに合わせたサービスを提供してくれる傾向にあります。
クライアントとの密接な関係を築くことができ、仕様変更などに合わせた柔軟な対応が可能です。また、比較的低コストで制作することができます。
大規模プロジェクトに対応する際に、大規模・中規模企業ほどのリソースや専門知識を提供できない可能性があります。また、複数のプロジェクトに同時に対応することが難しい場合があります。
フリーランス
フリーランスの制作会社は個人単位で活動し、特定のスキルや専門知識に特化しています。柔軟性とパーソナライズされたサービスを提供することができます。
個人による直接的なサービス提供が可能であり、コストが比較的低いことがあります。また、小規模なプロジェクトや短期間のプロジェクトに適しています。
個人によって制作スキルにばらつきがあり、大規模なプロジェクトに対応する際には、リソースやスキルが制限されることがあります。また、プロジェクトの規模や複雑さによっては対応が難しい場合もあります。
おわりに
制作会社を選ぶ際には、プロジェクトの性質や要件、予算、納期などの様々な要因を考慮することが重要です。また、発注者との信頼関係をしっかり構築していくことも重要です。
積極的にコミュニケーションを図り、どんなWebサイトを目指しているのか自身の意図を的確に伝えることで、より満足度の高いWebサイトに仕上げていくことができます。
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目的に合わせた制作会社を選んでWebサイトを制作すると、その後の保守・運用も必要になります。その際のWebサイトを更新する担当者とのやりとりは煩雑になりがちです。
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