Webデザインに使用する画像選定は、デザインのクオリティを大きく左右します。
画像素材を用意するためには、自分で撮影する、プロのカメラマンに委託するといった方法もありますが、費用・時間・クオリティを考えると一番効率の良い方法が画像素材サイトの活用です。
今回はWebデザインをする際に利用できる、画像素材サイトを紹介します!
素材サイトを利用する際の注意点
無料素材と有料素材
素材サイトには無料でダウンロードできるものと有料のものがあります。
無料サイトでは、必要な素材をクリックして簡単にダウンロードできるものもあれば、会員登録が必要なものもあります。
また、有料サイトでは、素材1点単位で購入できるものもあれば、月額制で何点でもダウンロードできるものなどサイトによって様々です。
利用規約の確認
どの素材サイトにもライセンス規約や使用条件などが明記されています。
この規約はサイトによって異なるので、利用する前にはしっかり確認しておく必要があります。
入手した素材をどんな目的でどのように利用するかによって制限する内容も異なるため、素材探しをする前に以下の使用用途を明確にしておくことが重要です。
- どのメディアに使用するか
- 商用利用なのか個人利用なのか
- 著作権表記が入っても大丈夫か
- 素材の加工が必要か
どのメディアに使用するか
Webサイト、印刷物、映像作品など、用途によって使用条件が異なる場合があります。
商用利用なのか個人利用なのか
商用利用を許可している場合と、個人利用のみに制限しているものもあります。
著作権表記が入っても大丈夫か
使用時にクレジット表記やリンクの掲載を求める場合があります。その際、表記の仕方、表示場所なども決まっていることが多いため、その規定に従います。
素材の加工が必要か
素材の加工について制限がある場合があります。人物などを切り抜いて使用したい場合は注意が必要です。
画像素材の選び方について
最近では、商用利用できる画像素材が膨大に掲載されているため、その中から最適な画像を見つけ出すのは時間と手間のかかる作業となってしまいます。少しでも絞り込みの労力を軽減するために、画像を選ぶ際は下記の視点に配慮して選定してみてください。
- テイストの一貫性
- トリミングの余白
- データ形式と画素数
- 被写体の目線やシチュエーション
テイストの一貫性
複数の画像を使用する際は、Webサイト全体のデザインと馴染むようにトーン&マナーを揃えることが基本です。
そのため、使用する画像の色味やコントラスト、エフェクトの入り方などのテイストが揃っているものを選ぶよう意識する必要があります。
特に、同じレベルの要素の写真を並べる際は被写体の向きや大きさを揃えることで視認性を高くすることができます。
また、入手した画像の色味などに違和感がある場合は、画像を加工して全体のバランスを整えます。
ただし、加工について制限のある素材サイトもあるため利用規約をしっかり確認しておきましょう。
トリミングの余白
画像を使用する場合、当てはめる場所の縦横比に合わせてトリミングすることが多いかと思います。そのため、トリミングをする余裕があるかどうかを確認する必要があります。
レスポンシブデザインに対応して画像の縦横比が変わる場合もあるため、これに適応できるかどうかも意識しましょう。
データ形式と画素数
画像データにも様々な拡張子があります。写真素材サイトの多くはJPEG形式のデータを配布しているものが多いですが、中にはPNGやPSDなどを取り扱っているサイトもあります。
画像をどう利用するのか、加工・編集も行うのかなどを踏まえて、必要に応じたデータ形式を選びましょう。
同様に、画素数も表示サイズに適切な画素数を選びましょう。
被写体の目線やシチュエーション
画像には向きがあり、被写体の目線や構図によってその向きが変わります。
どの向きで配置するかで見た目の印象も大きく変わり、有効的に活用すればWebサイトの視線誘導としての効果が生まれます。また、配置する画像同士の関係性からストーリーを暗示させるモンタージュ理論を活用することで、視覚的に伝わりやすいWebデザインに仕上げることができます。
そのため、画像の組み合わせや配置する場所を意識して選定を行いましょう。
海外のおすすめ画像素材サイト9選
まずは、海外のおすすめ画像素材サイトを紹介します!
Unsplash(アンスプラッシュ)
世界中の高品質な画像が集まる定番のフリー写真素材サイトです。綺麗でお洒落、ダイナミックな豊富で、ジャンルも風景やポートレート、食べ物など様々です。
画像サンプル
料金・利用方法
会員登録不要で、無料でダウンロードできます。ただ、会員登録することでお気に入り画像を保存することができので、画像選定の作業効率をアップすることができます。ちなみに、会員登録は無料でできます。
ライセンス規約
商用利用も含め、ほぼすべての目的で自由に使用できます。禁止事項として、写真の大幅な変更なしでの販売や、写真を編集して、類似または競合するサービスを複製することが記載されています。
画像数
300万点以上の画像が提供されています。
Pexels(ペクセルズ)
こちらも高品質かつ美しい写真が豊富に揃っているフリー写真素材サイトです。画像だけなく動画の素材も無料配布しています。海外サイトですがインターフェースがシンプルなため、検索しやすいです。
画像サンプル
料金・利用方法
会員登録不要で、無料でダウンロードできます。
ライセンス規約
商用利用も含め、ほぼすべての目的で自由に使用できます。独自のライセンスを採用しており、一部表現の規制や再配布の禁止等が記載されています。
画像数
十万点以上の画像が提供されています。
Pixabay(ピクサベイ)
非常に多くの画像素材を掲載しているフリー写真素材サイトです。画像だけではなく、動画やイラスト、ベクターデータ、音楽など多様な素材が掲載されています。
画像サンプル
料金・利用方法
会員登録不要で、無料でダウンロードできます。
ライセンス規約
商用利用も含め、ほぼすべての目的で自由に使用できます。禁止事項として、コンテンツの再配布や、誤解を招く方法での使用などがあります。
画像数
4,200万点以上の画像・動画素材が提供されています。
BURST(バースト)
ECサイト開設・運営のサービスでお馴染みの「Shopify」が提供するフリー写真素材サイトです。様々なジャンルの素材が揃っていますが、特に商品イメージなどの画像が充実しています。
画像サンプル
料金・利用方法
会員登録不要で、無料でダウンロードできます。会員登録するとメールマガジンで新着画像などのお知らせを受け取ることができます。
ライセンス規約
商用利用も含め、ほぼすべての目的で自由に使用できます。独自の利用規約が示されていますが、一部はクリエイティブコモンズコンテンツとして利用できます。
画像数
数千点以上の画像が提供されています。
GRATISOGRAPHY(グラティソグラフィー)
ユニークでクリエイティブなフリー写真素材が豊富に揃っています。品質も高く、個性的なプロジェクトに使える面白い画像が提供されています。
画像サンプル
料金・利用方法
会員登録不要で、無料でダウンロードできます。
ライセンス規約
商用利用も含め、ほぼすべての目的で自由に使用できます。独自の利用規約に基づき、写真の再配布や非人道的な目的での使用等が制限されています。
画像数
数千点以上の画像が提供されています。
Foodiesfeed(フーディースフィード)
料理や食材、ドリンクやスイーツなど食に特化したフリー写真素材サイトです。高品質な画像が揃っており、食材の鮮度の良さが伝わる画像や美味しそうな料理、美しい盛り付けなど素敵な写真が掲載されています。
画像サンプル
料金・利用方法
会員登録不要で、無料でダウンロードできます。画像をサイトにアップロードしたい場合は会員登録が必要です。
ライセンス規約
商用利用も含め、ほぼすべての目的で自由に使用できます。再配布禁止などの制限事項があります。
個別の写真によってライセンス規約が異なる場合があるため、随時確認する必要があります。
画像数
2,000点以上の画像が提供されています。
O-DAN(オーダン)
海外の複数のフリー写真素材サイトをまとめて検索できる便利なサイトです。日本語検索にも対応しており、様々な高品質画像を横断的に見ることができ、作業の効率化に最適です。実は、これまで紹介してきたサイトも全てO-DANで検索することができます。
料金・利用方法
会員登録不要で、無料でダウンロードできます。
ライセンス規約
商用利用も含め、ほぼすべての目的で自由に使用できます。ただし、細かい規定は各参照元の素材サイトによって異なるため必ず確認するようにしましょう。
画像数
40サイトから無料写真素材を検索できます。
AdobeStock(アドビストック)
Adobe社が提供する写真素材サイトです。有料にはなりますが、その分、高品質かつ多様なジャンルの画像が豊富に揃っています。また、日本人モデルの画像も多数掲載されています。画像以外にも、イラストや動画、音楽など様々な素材を取り扱っています。
さらに、AdobeCreativeCloudを通してPhotoshop、Illustrator、XDなどとの連携機能が使えるのも魅力の1つです。
料金・利用方法
一部無料のものもありますが、ほとんどが有料で会員登録が必要です。料金プランは、サブスクリプションと必要な数だけ購入するクレジットパックの2タイプの中から選べます。
ライセンス規約
さまざまな用途(Web 限定、印刷物、商品化など)に対応するため、複数の種類のライセンスが用意されています。
詳しくは、ライセンスページをご確認ください。
画像数
数億点以上の画像が提供されています。
iStock(アイストック)
GettyImagesが運営する世界最大級の素材サイトです。有料となりますが、大手メディアでもよく使用されているほど、品質も品揃えも申し分なく充実しています。日本語検索にも対応しています。また、写真のみならず、動画やイラスト、ベクターデータなども取り扱っています。
料金・利用方法
基本的に有料で会員登録が必要です。会員登録すると期間限定で無料ダウンロードできるものもあります。料金プランは、サブスクリプションと必要な数だけ購入するクレジットパックの中から選べます。
ライセンス規約
50万部を超える印刷物やグッズに使用する場合などについては、クレジットパックでのみ購入可能な追加ライセンスが必要になります。詳しくは、ライセンスページをご確認ください。
画像数
数百万点以上の画像が提供されています。
国内のおすすめ画像素材サイト9選
国内のおすすめ画像素材サイトを1つずつ紹介します!
写真AC
国内フリー写真素材サイトの定番の1つです。高品質かつ自然、風景、人物、食べ物、ビジネスなど、幅広いジャンルの写真が揃っています。日本人モデルの写真も豊富に揃っています。
画像サンプル
料金・利用方法
会員登録が不要です。無料と有料の会員があり、無料の場合ダウンロードや検索できる回数に制限があります。
ライセンス規約
商用利用も含め、利用規約の範囲内でほぼすべての目的で自由に使用できます。
Tシャツやカレンダー、マグカップなど販売目的商品への利用については、商品化ライセンスが必要になります。
画像数
500万点以上の画像が提供されています。
ぱくたそ
国内フリー写真素材サイトの定番の1つです。日本人モデルの写真が多く揃っています。また、自治体とコラボした写真も揃っており、有名観光地や特産品などの写真も多数配布しています。中には、ドローンで空撮した画像もあります。
画像サンプル
料金・利用方法
会員登録不要で、無料でダウンロードできます。
ライセンス規約
商用利用可能ですが、商品化利用は不可です。
詳しくは利用規約をご確認ください。
画像数
約5万点の画像が提供されています。
GIRLYDROP
おしゃれかつガーリーなテイストに特化したフリー写真素材サイトです。可愛らしいイメージや、コスメ、ファッションといった女性をターゲットとしたジャンルの写真が充実しています。
画像サンプル
料金・利用方法
会員登録不要で、無料でダウンロードできます。
ライセンス規約
商用利用は可能ですが、写真と関連する業種での商用利用は控えるようにとのことです。
これは、お店で扱っている商品やサービスと勘違いされる可能性があるためです。
その他の禁止事項等については、利用規約をご確認ください。
画像数
数千点以上の画像が提供されています。
PIXTA
高品質な国内の画像素材が豊富に揃っている写真素材サイトです。風景や人物、ビジネス、乗り物、科学など様々なジャンルの画像が掲載されています。また、素材の画像サイズが細かく分かれているため、用途に応じて無駄なコストを削減して購入することができます。画像以外にも、イラストやベクターデータ、音楽素材なども取り扱っています。
料金・利用方法
基本的に有料で会員登録が必要です。会員登録すると一部無料で素材をダウンロードすることができます。
ライセンス規約
商用利用可能ですが、商品パッケージや雑誌に素材を使用するときに複製部数の総計が30万以上の場合、エクストラライセンスが必要など使用用途によって必要なライセンスが変わります。
また、使用にあたって必要な加工として、「第三者が画像素材のみをダウンロードできないようにデザインに組み込む」などの条件が複数あります。
詳しくは、ライセンスページをご確認ください。
画像数
8,420万点以上の画像素材が提供されています。
まとめ
どのような写真素材サイトがあるのか把握しておくだけで、画像選定の作業をよりスマートにすることができます。サイトによって、取り扱っている画像のテイストが異なるので、把握しておくことがお勧めです。
また、Webサイトに使用する画像は画像検索で引っ掛かるようになります。そのため、SEO対策としてコーディング時には、alt属性(代替テキスト)に適切な説明を入力することも忘れないようにしましょう