ロゴは、企業やサービスのブランドを象徴する重要なシンボルです。
単に、視覚的にかっこいいロゴ、おしゃれなロゴだけでは他者との差別化は難しく、見る人の印象に残る唯一無二のデザインに作り込んでいく必要があります。
そのため、ロゴデザインは、限られたサイズの中に様々な思考や技巧を凝らさなければならない、デザイナーとしての力量が試される仕事でもあります。
今回は、このロゴデザインをする際に参考となる参考ギャラリーサイトを紹介いたします。
ロゴデザインでアイディアに行き詰まったり、デザインの幅を広げる際の参考にしてみてください!
ロゴの役割について
ロゴのデザイン次第でその企業やサービスに対する印象が大きく変わります。
さらに、ロゴの印象によって、企業への信頼感や商品の売り上げ等にも影響を与えます。
では、具体的にロゴにはどのような役割があるのでしょうか?
ブランドアイデンティティの確立
ロゴは、ブランドのアイデンティティを視覚的に表現します。
企業やサービスに込められたメッセージや独自性をデザインに反映することで、他社や他サービスとは異なる特徴を表現することができます。
独自で記憶に残りやすいロゴデザインは、市場競争の激しい状況下でも他者や他サービスの情報に埋もれることなく売り出すことが可能です。
認知度の向上
ロゴを一目見ただけでどこの会社か、どのサービスなのかが認識してもらえるようになります。
顧客が広告素材やメディアなどでロゴを見かける度に、関連づけて商品名や会社名などを思い出してくれるため、プロモーション活動を促進し、認知度の向上が期待できます。
感情と共感の喚起
ロゴデザインから得られる印象が顧客の感情や共感に働きかけ、ロゴへの愛着、つまりは会社やサービスへの愛着を深めることができます。
ロゴの印象が、顧客の心に響くものであるほど、感情的な結びつきが深まり、ブランドへの信頼感を高めることができます。
ロゴデザインをする前に把握しておくこと
ロゴデザインの仕事を受けた際は、いきなりデザインを考えるのではなく、しっかりとヒアリングをして方向性を確認しておくことが大切です。
これにより、コンセプトを明確化し満足度の高いロゴを目指すことができます。重要な把握事項として以下のものがあります。
ロゴデザインの目的
ロゴを制作することによってどのような効果を期待し、何を成し遂げたいのかを把握します。
ロゴを通じて伝えたいメッセージや、ロゴ制作依頼の動機などを質問しながら目的を具体化させていきます。
これにより、明確なコンセプトを導くことができます。
見た人にどう思われたいか
ロゴを見た人にどのような印象、感情を持ってもらいたいかを把握します。
顧客のターゲット層を聞き、実際に顧客がロゴを目にするまでの行動や感情の変化などをイメージしながら、ロゴが与える印象を考えていきます。
ロゴを使用するサイズや媒体
制作したロゴをどのように活用していくのか把握します。
Webサイトで使うのか、名刺やパンフレット、暖簾などに印刷するのかといった具体的な活用媒体を聞き出します。
さらに、それぞれどの程度のサイズを想定しているかも質問します。これにより、様々な条件下でもロゴの印象を保てるロゴデザインを考えることができます。
ロゴデザインの引き出しの増やし方
デザインを始めたばかりの頃は、ロゴのコンセプトが決まり、いざデザインに落とし込もうとしても、デザインがワンパターンになってしまったり、独自性を表現できなかたっりと新しいアイディアが浮かばずに悩んでしまうこともあるかと思います。
そういった場合は他のデザイナーの作品を見て自身のアイディアの引き出しを増やすことが効果的です。
また、デザインを見る際は、いくつかの分析する視点を持っておくことが重要です。
これにより具体的なアイディアをインプットすることができます。よくある分析の視点についていくつか紹介いたします。
ロゴ形状の発想の着眼点は何か
ロゴの形が何をモチーフにしているかを考えます。
イニシャルの文字なのか、運送トラックや食べ物などサービスの内容、音の響き、文字の並び方、またはこれらの要素の組み合わせ等、具体的な要素を分析してみましょう。
どのような質感で表現されているか
シンプルなラインで描かれているのか、またはベタ塗りか、鉛筆や筆を使った手書き風か等どのような質感で表現されているか探ってみましょう。
余白・バランスの取り方はどうしているか
文字と文字の余白や配置の仕方、大きさ等どのような調整が取られているかよく見てみましょう。
全体のバランスを考える際に、黄金比や白銀比など定番の比率を使用していることもあります。
どれが適用されているかも分析してみましょう。
基盤のフォントスタイルは何か
フォントスタイルにはセリフ体、サンセリフ体、明朝体、ゴシック体など様々なジャンルがあります。
ロゴの中には、既存のフォントスタイルをベースに変形を加えているものもあるため、どのスタイルが基盤となっているのか、ウエイトはどの程度かなどを探ってみましょう。
ロゴデザインに役立つ参考サイト10選
ロゴデザインに行き詰まった時に、新しいアイディアの切り口となるようなおすすめ参考サイトを10個紹介いたします。
ロゴストック
ロゴストックは、日本国内のロゴデザインを集めたギャラリーサイトです。
ロゴの一覧ページから個別のロゴ紹介ページに移動すると、ロゴの製作者やコンセプトなどの解説を読むことができます。
また、ロゴの掲載だけではなく、ロゴづくりの知識やデザイン書籍の紹介などロゴデザインに役立つ情報が多数掲載されています。
Logopond
Logopondは、世界各国のプロのロゴデザイナーが投稿している、ロゴのSNSサイトです。
とにかく数多くのロゴが投稿されており、ジャンルも幅広いです。
海外のサイトですが、シンプルにロゴが表示されているだけなので見やすく、タグやキーワードで絞り込みをすることもできます。
Dribbble
Dribbbleは、世界中のプロデザイナーが作品投稿やレビューを行うSNSサイトです。
ロゴ以外にも様々なデザイン作品が投稿されているため、TOPページに表示されるキーワード検索で「logo」や「mark」と入力して絞り込む必要があります。
Logoed
Logoedは、海外のユニークなロゴデザインが多数集まったギャラリーサイトです。テキストベースのデザインが多く揃っています。
海外のサイトですが、表示がシンプルなためとても見やすいです。
Logomoose
Logomooseは、海外のロゴギャラリーサイトです。運営を始めてからの経歴が長いため、幅広いジャンルの作品を多数閲覧することができます。
投稿者別や閲覧数の多い順、評価の高い順などに表示をカスタマイズできるためとても便利です。
Logospire
Logospireは、海外のロゴギャラリーサイトです。シンプルにロゴが並んでおり、気軽に閲覧することができます。
海外サイトですが、特に細かい絞り込み機能はないため、問題なく見ることができます。
Logo Design Love
Logo Design Loveは、北アイルランドのグラフィックデザイナーDavid Airey(デビット・アーリー)さんが運営するブログサイトです。
様々なロゴが掲載されているだけでなく、ロゴに関連するニュースや考察などの情報も知ることができます。
海外のサイトではありますが、Google翻訳などを利用して内容を理解することが可能です。
Pinterestは、ロゴに限らず様々なおしゃれな画像検索を行うことができるサイトです。キーワード検索でロゴ画像のみに絞り込むことができるとともに、自身のデザインボードを作成して、お気に入りの画像をピン留めして情報のストックと整理ができるため、とても使い勝手が良いサイトです。
Behance
Adobeが運営するクリエイターのためのSNSサイトです。日本人はもちろん世界各国のクリエーターの作品が掲載されており、ポートフォリオとして活用している人もいます。
Adobeユーザーに限らず誰もが無料で利用することが可能です。ロゴデザインに限らず様々な作品が掲載されていますが、絞り込み機能を使うことで目的に合わせたロゴデザインを表示することができます。
おわりに
最近では、条件を入力すると簡易的にロゴをデザインしてくれるWebサービスなどもありますが、緻密にコンセプト設計からデザインされたロゴは、ブランドの象徴として長く愛用してもらえます。
デザインがワンパターンになってしまう、新しいアイディアが浮かばない、デザインが垢抜けない…
このようなことで悩んだ時は是非、参考サイトでデザインの引き出しを増やしてみてください!