ホームページは、制作して終わりではなく、公開後の運用が重要です。
ホームページ運用では、ゴールを定め、それを達成するために必要な目標を立てて、施策を計画・実行・評価・改善していくことが必要です。
この目標設定に重要なのが「KPI」です。
この記事では、ホームページにおける「KPI」について詳しく解説していきます!
KPIとは?
KPIとは、「Key Performance Indicator」の略で「重要業績評価指標」と訳される指標のことです。
組織やプロジェクトの目標達成度を評価するために用いられるもので、戦略や業務の進行状況を管理するために重要です。
KPIは、簡単に言うと「組織やプロジェクトの最終目標を達成するための中間目標」です!
ホームページ運用でよく用いられるKPI
それでは、ホームページ運用では、どのようなKPIがよく用いられているのでしょうか?
よく用いられる指標を以下の表にまとめてみました。
KPI | 説明 |
---|---|
PV数(ページビュー数) | PV数(ページビュー数)は、ホームページ上のページ閲覧数のことです。 |
セッション数(訪問数) | セッションとは、ホームページにアクセスしたユーザーが、閲覧開始し、離脱するまでの一連の行動です。セッション数は、その数で、訪問数とも呼ばれています。 |
UU数(ユニークユーザー数) | UU数(ユニークユーザー数)は、一定期間内にホームページを訪れたユーザーの数のことです。 |
CV数(コンバージョン数) | CV数(コンバージョン数)は、「お問い合わせ」「購入」「申し込み」などユーザーが行う特定の動作のことです。 |
CVR(コンバージョン率) | CVR(コンバージョン率)は、ホームページ全体のセッション数(訪問数)のうち、コンバージョンを達成した数の割合のことです。 |
直帰率 | 直帰は、ホームページを訪問した入口となったページのみを閲覧して、他のページへ移動せずに離脱する行動のことです。直帰率は、ホームページ全体のセッション数(訪問数)のうち、直帰した数の割合のことです。 |
フォーム到達率 | フォーム到達率とは、問い合わせページなどフォームが設置されてあるページの訪問数(フォーム到達数)をホームページ全体の訪問者数で割ったものです。 |
検索順位 | 検索順位は、Googleなどの検索エンジンにキーワードを打ち込んで検索した時に、検索結果として表示される順番のことです。 |
KPIは、組織やプロジェクトの最終目標を達成するために必要なものを設定しましょう!
ホームページにおけるKPIの設定手順
ホームページにおけるKPIを設定は、以下の3つの手順で行います。
- ホームページの最終目標「KGI」を決める
- 最終目標を達成させるための成功要因「KSF」を洗い出す
- 成功要因を満たし最終目標を達成するための中間目標「KPI」を設定する
それぞれの手順について詳しく解説します!
【手順1】ホームページの最終目標「KGI」を決める
KGIとは、「Key Goal Indicator」の略で「重要目標達成指標」と訳される指標のことです。
簡単にいうと組織やプロジェクトのゴールを数値化したものです。
まずは、ホームページを運用することによって最終的に何を実現したいのかゴールを決める必要があります。
ホームページの場合、コーポレートサイトなのか、採用サイトなのか、ECサイトなのか等によってこのKGIは変わります。
以下、KGIの具体例です。
- 売上高の増加
- 成約数の増加
- 商談数の増加
- 採用人数の増加
- 予約数の増加
【手順2】最終目標を達成させるための成功要因「KSF」を洗い出す
KSFとは、「Key Success Factor」の略で「重要成功要因」と訳されます。
簡単にいうと、KGIを達成するために重要な要因のことです。
例えば、ECサイトにおいて「年間売上3,000万円」がKGIだったとします。
それを達成するには、どのような要因を満たす必要があるでしょうか?
以下、「売上」がKGIだった場合の、KSFの例です。
- 新規顧客数を増やす
- 既存顧客の購入頻度を増やす
- 購入単価を増やす
- 買上点数を増やす
【手順3】成功要因を満たし最終目標を達成するための中間目標「KPI」を設定する
KGIとKSFが決まったらKPIの設定を行います。
KPIは、KSFを満たしてKGIを達成するために必要なものにします。
KGIとKSF、KPIの関係を図に表すと以下のようになります。
例えば、KGIが「売上高3,000万円」でKSFが「新規顧客数を増やす」であれば、以下のようなものがホームページのKPIになります。(各数値は、例に使用するための仮のものです。)
- セッション数(訪問数)1,000人/月
- フォーム到達率:5%
- フォーム通過率:20%
- CV数(お問い合わせ数):10回/月
必要なお問い合わせ数は、お問い合わせからの商談率、商談の契約率、契約単価などから求めていきます。
ホームページにおけるKPI設定の注意点と落とし穴
ここまでKGI、KSF、KPIとは何か、どのように設定するのかについて紹介してきました。
次に、KPI設定の注意点について紹介します。
KPI達成のために具体的な施策が計画されているか?
当然ですが、KPIを設定するだけでホームページを放置していても目標は達成できません。
設定したKPIに対して、施策を計画・実行・評価・改善を繰り返していく必要があります。
例えば、以下のような施策です。
- 月間セッション数◯◯回を達成するために、ウェブ広告を月間予算○○円で出稿する
- フォーム通過率を改善するために、フォームの入力項目を変更する
- 月間ページビュー数○◯回を達成するために、週に◯本ブログを執筆する
適切なKPIが設定されているか?
設定したKPIについては、定期的に見直しを行うようにしましょう。
PV数(ページビュー数)についての注意点
例えば、PV数(ページビュー数)をKPIに設定している場合は、注意が必要です。
PV数は、KGIとの関係性が薄い場合が多く、以下のような問題があるためです。
- ページを分割することで意図的にPV数を増やすことができてしまう
- 情報が探しづらい、見つからないといったネガティブな要因でもPV数が増えてしまう
広告の表示回数によって売上が発生するウェブメディアであれば、PV数をKPIにしても問題ありません。
●●%をKPIにした指標の注意点
コンバージョン率など●●%が指標となったKPIについては注意が必要です。
例えば、KPIを「コンバージョン率:3%」と設定したとします。
以下のどちらが成果を出したと言えるでしょうか?
- 訪問数1,000人、コンバージョン率3.5%、コンバージョン数(お問い合わせ数)35人
- 訪問数3,000人、コンバージョン率1.5%、コンバージョン数(お問い合わせ数)45人
一つ目の例は、コンバージョン率3%を上回っており、二つ目の例は大きく下回ってします。
コンバージョン率がより高い一つ目の例の方が成果が出たと言えるでしょうか?
コンバージョン数(お問い合わせ数)が多い二つ目の例の方が、売上の向上や採用などにつながるため成果が出ていると言えるはずです。
売上を拡大するために、ターゲットを広くしてウェブ広告やSEOなどの集客施策を行うと、興味関心度合が低いユーザーも訪問してしまうため、自然とコンバージョン率は下がってしまうものです。
たとえコンバージョン率が下がったとしても施策の結果、お問い合わせ数が増加し、売上が向上したのであればそれで問題ありません。
まとめ
ホームページ運用を行うときは、KGI、KSF、KPIの順番に目標の設定を行いましょう。
これらの目標を設定していることで、「何のためにホームページ運用を行っているのか」「どのようにホームページ運用の成果や進捗度合を図るか」「次に取り組むべき施策は何か」が明確になってきます。
目標の設定だけで終わることなく、具体的な施策の計画を立てて実行していくことが重要です。
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マーケティングだけではなく、セールス、オペレーション、イノベーション、人事・組織、会計・財務など幅広い業種・分野のKPIや使い方を学ぶことができます。
KPIについて学び、正しく運用することでホームページで成果を出していきましょう!