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Web制作者なら知っておきたいCMSの知識とCMS9選

Web制作に関わるならCMSの話題は避けて通れませんよね。近年、様々な種類のCMSが登場しており、定期的な知識のアップデートは欠かせません。

この記事ではWebに関わる人向けに知っておきたいCMSの知識をご紹介します。

はじめにCMSとは何か簡単に解説

CMSとはContents Management System(コンテンツ管理システム) の略で、代表的なものにWordPressがあります。

いわゆる静的なWebサイトを運用するのであればHTML/CSSはもちろん、FTPやサーバーの知識のある人が作業する必要があります。

CMSが導入されていればそれらの専門知識を持っていなくてもWeb上にある管理画面からWebサイトを運用できるようになります。

CMSを導入するメリット 3つ

コードが書けなくてもコンテンツが作成・管理できる

CMSにはHTML/CSSを使用しなくてもコンテンツを作成できるような機能があることが多いです。専門的な知識を持っていなくても編集できるようになるのは大きなメリットですね。

Webサイト運営に必要な業務がある程度は自動化されている

全て手作業でサイトを構築すると、共通ヘッダーの変更は全てのページを書き換えないといけないですし。ページが増えたりするたびにサイトマップやパンくずリストの書き換えなど付随作業も発生します。CMSを導入することにより、こういった作業もある程度自動化されているので、運用にかかるコストが抑えられます。

自社の独自コンテンツを育てることで他社と差別化できる

独自コンテンツを育てることは事業の深い理解につながり、作成した記事は資産になります。わかりやすく充実したコンテンツがあればエンドユーザーの信頼感・安心感につながりますし、最新情勢にあわせて事業者本人が発信することで、移り変わるビジネスシーンで優位に立つことができるでしょう。

CMSを導入するデメリット 3つ

決して安くない初期費用がかかる

静的なWebサイト制作に比べて、準備や開発にかかる手間が格段に大きいです。短期ではかかった費用分を回収できないことも多いので、長期目線で回収していくことを考えましょう。

作った後も運用保守費用がかかる

静的なWebサイトであれば、作った後は都度変更・修正対応だけでも十分機能しますが、動的な機能を持つWebサイトでは健全に機能を保つために運用保守費用がかかります。特にセキュリティ対策を甘く見ているとビジネスにダメージを与える結果にもなりかねません。

コンテンツの維持管理には人的リソースが必要

開発が終わってリリースした後には運用が待っています。コンテンツの作成・更新には人的リソースが必要で、適切に運用されていないコンテンツはかえってブランドイメージを落としてしまうでしょう。アクセス解析やコンテンツ運用ができるリソースがあるかどうかも検討が必要です。

Web制作者なら知っておきたいCMS 9選

最後に、数あるCMSのなかから種類別にいくつか取り上げて紹介していきます。

提案や技術選定の参考にしてもらえれば幸いです!

定番CMS

まずは定番と言って良いものからご紹介。

メリット

  • 定番なので対応可能なWebエンジニアやレンタルサーバーが多い
  • 必要な機能はおおむね取り揃えられている

デメリット

  • 運用とセキュリティには十分な注意が必要
  • ライセンス・利用料が必要なこともある

WordPress : 世界で最も使用されているCMS

世界で最も使用されているCMSです。定番中の定番ですが、注意点も多数あります。

WordPressの自体はオープンソースのルールに沿っていれば無料で使用でき、多くの場合レンタルサーバーと組み合わせて使用されます。配布されているテーマの豊富さ、プラグインの多さなどもあり、世界でCMSシェア1位をキープし続けています。

対応可能なWebエンジニアは多いですが、最新バージョンに沿った構築やセキュリティの対応までできる人はそう多くなく、Web制作の現場にいると年に何度かはセキュリティ対策が不十分でサイトを乗っ取られたり攻撃の踏み台にされたりしているのを目撃します。

WordPressの自体は無料で使用できますが、保守にきちんと費用をかけることをお勧めします。

Movable Type : 静的CMSとして長い歴史

セキュリティ要件を重視するならまず候補にあがるのが、Movable Typeです。

Movable Typeは静的CMSとして有名で、コンテンツ管理機能とユーザーが閲覧するWebサーバーが分離しています。あらかじめ静的生成(スタティックジェネレート)でWebページを生成し、ユーザーは生成済みのWebページを閲覧します。管理機能と閲覧機能が分離しているので、管理機能への不正アクセスが難しく、セキュリティレベルを高く保つことができます。

Movable Typeを使用するにはライセンスを購入する必要があるほか、対応可能なWebエンジニアがWordPressに比べると少ないことに注意が必要です。また、コンテンツが増えてくると静的生成に時間がかかるなど、ややクセがあるため慣れる必要があります。

a-blog CMS : 使いやすい国産CMS

WordPressは使いにくいと感じたら検討して欲しい国産CMSです。

単独で高機能を実現しており、追加開発の必要性の少なさがセキュリティに繋がっています。ECカート機能や画像圧縮の機能が標準で提供されていたり、プロフェッショナルライセンス以上では静的生成にも対応していたりと、痒いところに手が届く仕様です。簡単なHTMLやCSSは書けるから完全にノーコードである必要はないという時にもマッチします。

そこまで難しいものではないですが、テンプレート開発には独自の記述を覚える必要があります。また、試用や趣味として個人で使用する分には無料で使用できますが、商用利用ではライセンスの購入が必要です。

ノーコード・ローコードCMS

ノーコード・ローコードとは、コードを全くないしほとんど書かずにアプリケーションやWebサイトを制作すること、またはそれができるサービスなどのことを言います。

メリット

  • ノーコードでここまでできるのかと思わせる自由度
  • 費用はかかるが独自ドメイン対応やコンテンツ管理機能もある

デメリット

  • 使い方は覚える必要があり、制約も多い
  • サービスへの依存性が極めて高い

デザイナーがノーコードサービスの使い方を覚えることで、単純コーディングの工程をデザイナーが担うことができるようになります。

いいことずくめのようですが、サービスへの依存性が極めて高いこと(ベンダーロックイン)、独自のカスタマイズを加えるには従来方式よりも高度な技術とリサーチが必要になることに注意が必要です。

STUDIO : 国産ノーコードCMSとして注目

デザイナーがコードを書かずにWebサイトを作れたらという夢を形にしたCMSです。

国内でコードを書かずにWebサイトを作るということを考えるならまず候補に上がってくるサービスでしょう。最近は必要に応じて自由にコードを埋め込める機能が追加されました。

SquareSpace : 海外ノーコードCMSの先駆け

海外向けにノーコードSaaSを選ぶならこちらになります。英語です。

こちらもノーコードでWEBサイトが制作できるサービスです。海外らしいすっきりとした画面が特徴的で、使用感はよいです。ノーコードWebサイト制作サービスとしては最も歴史が長いものの一つで、世界的な評価も高いです。

ヘッドレスCMS

ヘッドレスCMSとは、Webサイトの機能をコンテンツ管理の機能だけを持っていてWebサイトの表示機能を持たないCMSのことです。

メリット

  • コンテンツ管理機能のみにしたことで事業を横断して使いやすい
  • 近年注目されている技術の一つ

デメリット

  • 実装には高い技術水準が要求される
  • サービスへの依存度が高い

microCMS : 国産ヘッドレスCMSとして注目

完全に日本語対応しているヘッドレスCMSです。

非常に珍しい国産ヘッドレスCMSです。もちろん日本語対応しています。いわゆるJAM Stackを提案する場合にまず候補にあがりますね。画像APIも用意されていたりして使い勝手は良いです。今後の成長にも期待です。

JAM Stack

JAM Stackは、JavaScript、API、Markupの3つの技術によるシステム構成のことです。

JAM Stackでは、事前に全てのWebページを生成し、すぐに表示させられるようHTMLファイルを用意します。

Contentful: 海外ヘッドレスCMSの先駆け

海外ヘッドレスCMSのなかで有名なものの一つです。

海外のヘッドレスCMSついては他に候補がたくさんあり、有名なもの一つにContentfullがあります。操作しやすい管理画面が付いていることが評判の理由です。

EC機能付きCMS

主にEC機能に注目した時に候補にあがるCMSです。ECに力を入れたいのであれば、定番CMSにEC機能をつけるよりも初めからEC機能に力を入れているサービスを選んだ方がよいでしょう。

メリット

  • EC機能が中心なのでオンライン販売に強み
  • 特に決済・個人情報周りの品質がある程度担保される

デメリット

  • 実装には専門性が要求される
  • 販売手数料や維持費が必要

Shopify : 世界的人気、越境ECで有名

越境ECを考えるならまずShopifyが候補にあがります。

Shopifyはさまざまな機能が統合されたECプラットフォームで、海外向けの対応もできることが最大の特徴です。機能の豊富さやカスタマイズ性の高さから高い人気を獲得しています。

開発・保守には高い専門性が求められ、対応可能な会社はそれほど多くありません。ある程度日本語にも対応していますが、プラグイン等は英語でしか記載がないこともあります。

EC-CUBE : 国産EC機能付きCMS

定番の国産ECプラットフォームです。

国産ECプラットフォームとして昔から定番なので、対応可能な会社が比較的多いです。オープンソースなので使用自体は無料ですが、開発・保守には専門性が求められます。

また、決済機能は標準ではついていないため、各種Payやクレジットカード決済などを組み込む場合は決済代行サービスに支払う手数料が発生することにも注意しましょう。決済代行サービスの利用には審査もありますので、あらかじめ準備が必要です。

まとめ

Web制作者なら知っておきたいCMSの知識とCMSを9つ紹介してきました。

一口にCMSといっても、定番のものからローコード、ヘッドレス、ECと種類が増えており時代が進んでいることを感じますね。

制作者・事業者・エンドユーザーの全員が幸せになれるような提案ができるように、これからも知識をアップデートしていきましょう!