Webディレクターとしての活躍していくためには、資格や検定取得のための学習が有効な手段の一つです。しかし、どの資格や検定を取得するべきか迷ってしまうこともあるかもしれません。
本記事では、Webディレクターに役立つおすすめの資格・検定を15種類をカテゴリに分けて紹介します!
これらの資格・検定を取得することで、専門的な知識・スキルを身につけ、より多くの仕事にチャレンジできるでしょう。
Webディレクターの業務に必要なスキル
おすすめの資格・検定を紹介する前に、Webディレクターの業務に必要なスキルとは何でしょうか?
Webディレクターは、Webに関するプロジェクトの監督・指揮・管理を担当する職種です。
仕事内容の幅が広く、プロジェクト内容によって納品物も変わってくるため、Webに関するさまざまな知識・スキルが必要になります。
たとえば、プロジェクトメンバーとコミュニケーションをとりながら、Webサイト作成のスケジュール管理や指示出し、チェックなどを行います。
以下は、Webディレクターが業務遂行に必要なスキルの例です。
- Web制作
- SEO
- マーケティング
- UX/UIデザイン
- フロントエンドの言語(HTML・CSS・JavaScriptなど)
- バックエンドの言語(PHP・Javaなど)
- プロジェクトマネジメントの能力
- コミュニケーション能力
プロジェクトメンバーと連携し、クライアントの求めるWebサイトの企画・立案から納品までを監督できる、幅広い専門知識とリーダーシップが求められます。
Webディレクターが資格取得するメリット
Webディレクターになるために、必要な資格はありません。資格が無くてもWebディレクターになることは可能です。
ですが、資格取得にはさまざまなメリットがあります。ここでは、Webディレクターが資格取得する主なメリットを解説します。
<資格取得のメリット①>専門知識を学べる
資格取得は、Webディレクターにとって必要な専門知識・スキルを学ぶ有効な手段です。たとえば、WebマーケティングやSEOなどに関する資格を取得することで、それぞれの分野における専門的な知識を体系的に深められ、スキルアップができます。
<資格取得のメリット②>スキルの証明になる
資格は自身のスキルを客観的に証明する手段になります。
Webディレクターは、Webサイトの企画や運営に関する幅広い知識が求められるため、自己学習や実務経験を積んでも、クライアントや上司からの信頼を得ることはなかなか難しいです。しかし、資格取得をして、客観指標でスキルが証明できれば、周囲から信頼を得られやすいです。
<資格取得のメリット③>求人市場で有利な人材になる
求人案件には「○○資格保有者歓迎」という文言もあります。資格を取得することで、有利に自身を企業に売り込めます。あなたが採用担当者なら、同じ知識・スキル、実績をもつ求職者が並んだら、専門資格をもった方の人材を採用したいと思いますよね。資格があることで、より高単価な案件の受注や条件のよい採用につながることがあります。
Webディレクターにおすすめの資格・検定
Webディレクターは、Webデザイナーやライター、Webエンジニア、SEO担当などのメンバーと連携して指示を出していける幅広い知識・スキルが必要になります。
ここからは、Webディレクターに必要な知識・スキルが体系的に学べて、スキルの証明にもなるおすすめ資格・検定をカテゴリ毎に紹介します。
Webディレクションに関する資格
Webディレクション試験(資格名:Webディレクター)
Webディレクション試験は、Webサイトの企画やプロジェクトマネジメントに必要な知識・技能を測定する試験で、社団法人 全日本能率連盟登録資格で、株式会社ボーンデジタルが検定事務局の運営を行っています。
試験範囲は下記の通りで、公式テキストと公式問題集で学習を進めることができます。
- インターネットビジネス
- プロジェクトマネジメント
- Webサイトの企画
- Webサイトの設計
- Webマーケティング
制作会社のWebディレクターだけではなく、Webサイトの運営や更新業務を担当する事業会社の方やこれからWebに関する業務に関わる方にもおすすめの資格です。
また、2022年度までに実施された試験の合格率は累計で68.5%と、比較的取得しやすいです。
IT全般に関する資格
ITパスポート試験
ITパスポート試験は、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家資格です。
出題範囲は、下記のようになっており試験勉強を通して、ITに関する知識だけではなく、経営戦略や会計、法務など幅広い分野の基礎知識が取得可能です。
- 企業活動
- 法務
- 経営戦略マネジメント
- 技術戦略マネジメント
- ビジネスインダストリ
- システム戦略
- システム企画
- システム開発技術
- ソフトウェア開発管理技術
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
- システム監査
- 基礎理論
- アルゴリズムとプログラミング
- コンピュータ構成要素
- システム構成要素
- ソフトウェア
- ハードウェア
- 情報デザイン
- ヒューマンインタフェース
- 情報メディア
- データベース
- ネットワーク
- セキュリティ
コミュニケーションに関する資格
コミュニケーション検定
コミュニケーション検定は、可視化しきれないコミュニケーションスキルを客観的に証明する検定であり、サーティファイコミュニケーション能力認定委員会が主催・認定を行っています。
Webディレクターは、クライアントやデザイナー、プログラマーなど様々な関係者とやり取りを行い案件を進行させるため、コミュニケーション能力は必須です。
下記は、コミュニケーション検定の試験範囲であり、新人Webディレクターにとっても役立つ内容となっています。
- コミュニケーションを考える
- 目的に即して聴く
- 傾聴・質問する
- 目的を意識する
- 話を組み立てる
- ことばを選び抜く
- 表現・伝達する
- 来客・電話応対
- アポイント・訪問・挨拶
- 情報共有、質問、返答
- チーム・コミュニケーション
- 非対面コミュニケーション
- 接客・営業・クレーム対応
- 会議・ヒアリング
- 面接
また、累計受験者数は、16万3,636名で、合格率は90.0%(2022年3月31日時点)であり、比較的合格しやすい検定です。
ライティングに関する資格
Webライティング能力検定
Webライティング能力検定は、一般社団法人日本WEBライティング協会により実施されており、受験課目は下記の通りです。
- 国語
- ウェブライティング
- コピーライティング、メールライティング
- SEO
- 倫理・法律、炎上対策
- Webライティングに関するミニ論文(200~300文字)
Web制作の案件では、クライアントにヒアリングを行い、Webディレクターがライティングを行うことがあります。
そのため、ライティングのスキルはWebディレクターにとって重要です。
Webライティング能力検定では、ライティングの基礎から、SNSでのライティング、コピーライティング、SEOライティングなど専門的な内容も学ぶことができます。
また、著作権、商標権、景品表示法などWeb制作に関連するような法律について学ぶことができるのも特徴です。
試験は、88点が満点とされ、取得した得点によって1級〜3級が決まります。基準点に到達しなければ資格なしです。
マーケティング関連の資格
ネットマーケティング検定
ネットマーケティング検定は、インターネット・マーケティング全般の基本知識と方法論などの保有度を測定する検定です。
下記の4つの要件を評価・認定します。
- ファシリテート能力
→社内各部門との調整、外部のWeb制作会社やシステム開発会社との連携方法など - Webに関する知識や技術
→Webサイトの構築、運用方法、EC機能の実装方法など - ネットマーケティングに関する知識
→集客、プロモーション、サポート等の基本手法 - 経営戦略と連動したWebブランディング能力
→顧客、社会、市場と自社との結び付け方
Webディレクターには、Web制作の進行管理だけではなく、Web集客の戦略立案やWebサイト制作後のプロモーションやWeb広告の知識も求められます。
ネットマーケティング検定は、公式テキストと過去問題集で勉強することができます。
累計受験者数は、9,229名(2022年3月31日時点)で合格率は73.1%(2021年度平均合格率)です。
Web広告に関する資格
Google広告認定資格
Google広告認定資格とは、Googleが実施しているGoogle広告に関する資格です。
Google広告「検索広告」、Google広告ディスプレイ、Google広告動画など11種類の認定資格があります。
Google広告認定資格を取得すると、専門知識があることをクライアントや見込顧客にアピールできます。
スキルショップ(Googleのe ラーニング コース)を活用することで、理解度テストを無料で受験できるほか、理解度テストに向けた学習プログラムを無料で利用できます。
スキルショップで学習を行うことで、Google広告の各サービスについての理解を深めることができます。
Yahoo!広告 認定資格
Yahoo!広告 認定資格には、下記3種類があり無料の学習コースを受講後、認定試験を受けることで資格を取得できます。
- Yahoo!広告 ベーシック
- Yahoo!広告 検索広告 アドバンスト
- Yahoo!広告 ディスプレイ広告 アドバンスト
Google広告認定資格と同様に無料のeラーニングコースがあり、Yahoo!広告の検索広告とディスプレイ広告について学習することができます。
IMA検定
IMA検定は、Webマーケティングに関する検定であり、暗記に固執せず即実践のスキルを習得できることが特徴です。
Standardコースでは、インターネットマーケティングの概論、アクセス分析、サイト集客について学ぶことができます。
eラーニングで11回の講義を受けることができ、1回の課題添削があり、その後に認定試験があります。
特に、リスティング広告について実践的なことを学べることが特徴です。
例えば、適正キーワードの選定や適正広告文の作成、広告配信ツールの設定、キーワード・テキスト広告の改善などについて学ぶことができます。
SEOに関する資格
SEO検定
SEO検定は、一般社団法人全日本SEO協会が認定する検定で、4級から1級があり、SEOについて学ぶことができます。
WebディレクターがWebサイトの設計を行う上でもSEOの知識は重要です。
各級で学べる内容は下記の通りです。
- 4級:SEOの基礎知識
- 3級:キーワードリサーチと内部要因最適化
- 2級:コンテンツSEOと外部要因最適化
- 1級:ソーシャルSEOとモバイルSEO
Web解析に関する資格
ウェブ解析士
ウェブ解析士とは、アクセス解析をはじめとしたウェブ解析データを活用し、デジタルマーケティングを通して事業の成果を導く人材であり、その資格は一般社団法人ウェブ解析士協会によって主催されています。
認定試験の内容は、公式テキストで学ぶことができます。テキストの内容は下記の通りです。
- 第1章 ウェブ解析と基本的な指標
- 第2章 事業戦略とマーケティング解析
- 第3章 デジタル化戦略と計画立案
- 第4章 ウェブ解析の設計
- 第5章 インプレッションの解析
- 第6章 エンゲージメントと間接効果
- 第7章 ウェブサイトの解析
- 第8章 ウェブ解析士のレポーティング
ウェブ解析士認定試験の合格率は、64.15%(2022年1月~12月)であり、比較的難しい試験となっています。
弊社では、プロフェッショナル体制を構築するために、営業・ディレクターの職種は、全員ウェブ解析士を受験し合格するようにしています。
Webアナリスト検定
Webアナリスト検定は、Googleアナリティクスをメインにしたデータ分析力を問う試験で、一般社団法人日本Web協会が主催しています。
資格取得までの流れは、申し込み後テキストで事前学習し、5時間(1日)の講座を受講(任意)した後に、オンラインテストを受けて、各カテゴリで40%以上かつトータル75%以上の正解で合格となります。
5時間/1日の講座で現場のノウハウを学べることが特徴で、クライアントのWebサイト改善や、コンバージョン率向上に役立つ知識が学習できます。
Googleアナリティクスによるアクセス解析や分析は、Webディレクターの日々の業務でよく求められるので、早いうちに基礎力を身につけておくのがおすすめです。
また、合格率は約80%と比較的取得しやすいです。
Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)
Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)は、Googleアナリティクスの習熟度を認定する資格であり、資格を取得すると、専門知識があることをクライアントや見込顧客にアピールできます。
スキルショップ(Googleのe ラーニング コース)を活用することで、無料で試験対策をすることができ、Googleアナリティクスのスキルを身に着けることができます。
GAIQは、ユニバーサルアナリティクスに関する資格であり、ユニバーサルアナリティクスにおけるデータ処理は、2023年7月1日をもって停止されます。
そのため、今から学習するのであれば、Google Analytics 4(GA4)に関する認定資格「Google アナリティクス認定」を取得するのが良いでしょう。
コーディングに関連する資格
HTML5プロフェッショナル認定試験
HTML5プロフェッショナル認定試験は、HTML5、CSS3、JavaScriptなど最新のマークアップに関する技術力と知識を認定する資格であり、特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが実施しています。
レベル1とレベル2の2種類があり、Webディレクターの方は、レベル1まで取得していれば十分です。
レベル1の出題範囲は、下記の通りです。
- Webの基礎知識
- CSS
- 要素
- レスポンシブWebデザイン
- APIの基礎知識
Webディレクターは、Webサイトの品質チェックを行う必要があるため、適切なコーディングが行われているかを確認するための知識が必要です。
その基礎となる知識をHTML5プロフェッショナル認定試験の学習を通して学ぶことができます。
ECサイトに関連する資格
ネットショップ検定
ネットショップ検定は、Eコマース業界での実務能力を証明する資格「ネットショップ実務士」になるための検定試験であり、ネットショップ能力認定機構が運営しています。
基礎知識が問われる「ネットショップ検定 レベル1」と、実践知識が問われる「ネットショップ検定 レベル2」の2つの試験があります。
レベル1の出題範囲は、下記の通りであり、公式テキストで学習を進めることができます。
- ネットショップのビジネス環境
- 小売業の分類と特徴
- ネットショップの位置づけ
- ネットショップの動向
- ネットショップ業界に必要なスキル
- 社会人としての基礎知識
- ネットショップの動向
- ネットショップ実務の共通知識
- ネットショップ事業の準備
- ネットショップの制作
- ネットショップのプロモーション
- ネットショップの運用
ECの市場規模は年々増加してきており、構築や運用の需要も拡大しています。
クライアントからECサイトについて相談される可能性も高く、WebディレクターにもECサイトに関する知識が必要です。
法律に関連する資格
ビジネス実務法務検定試験®
ビジネス実務法務検定試験®は、法務部門に限らずあらゆる職種で必要とされる法律知識が習得できる資格です。
3級から1級まであり、公式テキストで学習を進めることができます。
3級の公式テキストには、下記内容が含まれています。
- ビジネス実務法務の法体系
- 企業取引の法務
- 企業財産の管理と法律
- 企業活動に関する法規制
- 債権の管理と回収
- 企業と会社のしくみ
- 企業と従業員の関係
- ビジネスに関連する家族法
Webディレクターには、意匠権、商標権、著作権などの知的財産に関する知識が求められる場合があります。
また、お客様との契約などに関しても基礎的なことは知っておくべきであり、ビジネスに活用できる基礎的な法律知識が習得できる、ビジネス実務法務検定試験®の学習がおすすめです。
まとめ
Webディレクターには、常にスキルアップを図ることが求められます。本記事で紹介した資格・検定を活用し、自己研鑽を行いながら、より高度なスキルを身につけましょう。
新しい知識や技術を習得し、ビジネスの成長や自己成長につなげられるでしょう。