「Web保守は、何か問題が起きたときだけ対応すれば良いの?」「もっとクライアントの成長をお手伝いできないかな」「これからのWeb保守は、どんなふうに変わっていくのだろう?」
デジタル化が進む中で、Webサイトの役割はますます大きくなっています。ですが、多くの企業では「何かあったら対応する」という受け身の保守が主流のままです。
AIの進化や内製化の波もあり、このようなの受け身の保守は先細っていく未来が待っています。
これからの時代は、少し前向きな「攻めの保守」も選択肢に加えてみませんか?
本記事では、提案型の攻めの保守が注目されている理由や、メリット、始め方を紹介していきます。
未来のWeb保守を一緒に考えていきましょう!

実際、私たちもこれまでの受け身の保守から「攻めの保守」に少しずつ移行しています。うまくいっていることもそうでないこともありますので、体験をもとにお話ししていきます。

攻めの保守とは?
最近は、Webサイトが「会社の顔」や「ビジネスのエンジン」として活躍する場面が増えています。ですが、まだ「壊れたら直す」「依頼があったら対応する」という守りの保守が多いのも事実です。
攻めの保守は、そんな従来の考え方を前向きにアップデートしたものです。困ったときだけでなく、もっと良くするために、こちらからご提案する――そんなスタイルです。

Web保守の現状と課題
従来の保守の限界
これまでのWeb保守サービスは、「何か問題が起きたら対応する」という受け身のスタンスが中心でした。このやり方には、いくつかの課題があります。
価値が伝わりにくい
受け身の保守は、保険のようなもので、何も起きなければ使われないものです。そのため、クライアントからは「何もトラブルがないと、何もしていないように感じる」「できるだけ安い方がいい」と言われがちです。
このような認識が続くと、価格競争に巻き込まれたり、契約更新時に値下げを求められる場合もあります。
単発対応の繰り返しによる非効率
依頼があったら対応して終わり、というサイクルを続けると、枝葉の対応に終始してしまう場合が多く、根本的な課題解決にはなかなかつながりません。いたちごっこの対策を繰り返すと、同じような問題が何度も起きてしまい、対応工数もかかり、信頼の失墜にもつながります。長期的な視点での改善が難しくなります。
専門知識やスキルが活かしきれない
せっかく技術やノウハウを持っていても、クライアントの潜在的な課題やニーズに活かされないままになってしまいます。業界のベストプラクティスを提供する機会や、付加価値を生み出すチャンスを逃してしまうこともあるのです。
現代のビジネス環境とのギャップ
近年、技術やフレームワークの進化がますます加速しています。ユーザーの行動も多様化し、サイバーセキュリティの脅威も高度化しています。
ですが、従来の保守サービスだけでは、こうした新しい課題に十分に応えるのが難しくなってきました。技術的な対応だけでなく、ビジネス視点でのアドバイスや戦略的な提案、継続的な改善が求められる時代です。
ユーザーの期待の高まり
企業側も、デジタル変革(DX)への関心や投資意欲が高まっています。Webサイトを戦略的なビジネスツールとして活用したい、投資に対して明確な成果を求めたい、という期待も大きくなっています。
個人情報やセキュリティへの意識も高まっており、具体的な対策をプロからのアドバイスを欲している状況です。
競争環境の激化
Webの技術を学べる環境が増えたことで、Web業界への参入障壁が低くなり、同業他社との差別化がますます重要になりました。
新しい技術やトレンドへの対応も求められており、Web制作会社・保守事業者は常にトレンド情報を収集していく必要があります。
内製化の波
企業内でのデジタル人材の育成が進み、簡単な更新作業は自社で行いたいという要望が増えています。
外部依存を減らし、スピーディーな対応を求める声も多くなっています。
法規制やガイドラインの進化
個人情報保護法やCookie規制が強化され、Webアクセシビリティ対応も広がっています。
広告についてもガイドラインが見直されています。

景品表示法も改正されてステルスマーケティングが規制されるようになりましたね。
提案型の保守がもたらすメリット

クライアント企業にとってのメリット
潜在的な課題を早めに見つけて解決できる
提案型の攻めの保守では、問題が表面化する前に課題を発見し、予防的な対策をご提案します。そうすることで、緊急対応や再発リスクを減らし、安定した運用につなげることができます。
たとえば、セキュリティリスクの予防や、サイト速度低下による機会損失の防止、法規制対応の先手対策など、安心してWeb運用を続けていくための行動が攻めの保守と言えます。
戦略的なWebサイト運用で事業成長をサポートできる
攻めの保守では、Webサイトを事業成長のエンジンとして最適化するご提案も行います。UI/UX改善による問い合わせ数の増加や、SEO最適化による検索流入の増加、ユーザーエンゲージメントの向上など、ビジネス成果に直結する改善を目指します。
競合他社との差別化や、業界トレンドを先取りした機能実装、ユーザーニーズに合わせた継続的な改善も一緒に考えていきます。
運用コストの最適化と効率化につながる
緊急対応コストや内製化コストの削減、機会損失の防止など、コスト面でもメリットがあります。予防的な対策で緊急対応の回数を減らしたり、専門人材の採用コストを抑えたり、障害による売上損失を防いだりすることができます。
Web制作会社・保守事業者にとってのメリット
収益性の改善につながる
提案型の攻めの保守では、付加価値をしっかり伝えることで、保守契約単価の向上や継続契約率のアップが期待できます。価格競争から価値競争へとシフトし、長期的なパートナーシップを築きやすくなります。
競争優位性を高められる
「安い保守業者」から「価値創造パートナー」へと転換し、専門性やノウハウを活かした差別化が可能です。ブランド価値が高まり、業界内でのリーダーシップにもつながります。
組織力やスタッフ満足度の向上
単調な作業から戦略的な提案業務へとシフトすることで、やりがいや成長実感が高まります。専門性を活かせる環境や、継続的な学習機会、キャリア成長の道筋も描きやすくなります。
攻めの保守のデメリットと注意点

攻めの保守には多くのメリットがある一方で、導入時に考慮すべきデメリットや注意点もあります。これらを理解した上で、適切な対策を講じることが成功の鍵となります。
クライアント企業にとってのデメリット
コストの増加
従来の保守契約と比較して、攻めの保守は費用が高くなる傾向があります。詳細な分析や提案作成、継続的な改善活動には、より多くの専門人材と時間が必要になるためです。
中長期的な視点で投資対効果を評価することが重要です。
提案内容の理解・判断が必要
技術的な提案や戦略的な改善案について、ある程度の理解と判断が求められます。Web担当者のスキルレベルによっては、提案内容の価値や優先順位を適切に評価するのが難しい場合もあります。
社内での合意形成や意思決定に時間がかかることもあり、スピード感のある改善を阻害する要因となる可能性があります。
過度な提案による混乱リスク
保守事業者が積極的すぎる提案を行った場合、本来の事業優先度と合わない改善案が多数提示され、何から手をつけるべきか分からなくなることがあります。
また、提案の頻度や内容が適切でないと、「売り込み」と受け取られ、信頼関係に悪影響を与える可能性もあります。
Web制作会社・保守事業者にとってのデメリット
人材育成とスキル向上のコスト
攻めの保守を提供するには、技術スキルだけでなく、ビジネス分析力や提案力、コミュニケーション能力など、幅広いスキルを持った人材が必要です。
既存スタッフのスキルアップや新規採用には相応のコストと時間がかかり、小規模な制作会社では人材確保が困難な場合もあります。
提案作成・分析作業の工数増加
詳細な現状分析や改善提案の作成、効果測定などには多くの工数が必要です。従来の保守作業と比較して、準備や資料作成にかかる時間が大幅に増加します。
提案が採用されなかった場合でも、分析や提案作成にかかったコストは回収できないため、事業収益性への影響も考慮する必要があります。
クライアントとの期待値調整の難しさ
攻めの保守では、技術的な改善だけでなくビジネス成果への貢献も期待されます。しかし、Webサイトの改善効果は外部要因にも左右されるため、必ずしも期待通りの結果が得られるとは限りません。
期待値の設定や成果の測定方法について、事前にクライアントと十分な合意形成を行わないと、後々のトラブルにつながる可能性があります。
成功のための対策
これらのデメリットを軽減し、攻めの保守を成功させるためには、いきなり大規模な変更を行うのではなく、小さな成功事例を積み重ねながら徐々に拡大していくことが大切です。
定期的なミーティングでの報告や情報提供で定期的なコミュニケーションを重ね、信頼関係を維持しながら進めていきましょう。

クライアントの状況を見極め、段階を追って進めていくことが大切です!
攻めの保守の具体的事例
攻めのWebサイトの保守で実際に取り組む事例を手順とともにまとめました。
データに基づく分析と提案
データ分析を通じて、セキュリティの脆弱性だけでなく、パフォーマンス低下や運用面の見落としなど、将来的なリスクとなる弱点も早期に発見できます。こうした弱点を根拠あるデータで示し、具体的な改善策を提案することが、攻めの保守の大きな価値です。
競合サイトとの比較や業界トレンドへの対応が後手に回ると、差別化のチャンスを逃してしまうこともあります。攻めの保守なら、定期的な競合分析や、独自性を活かしたご提案も可能です。
攻めの保守を始める第一歩は、クライアントのWebサイトを多角的に分析することです。技術面だけでなく、ビジネス視点も大切にしながら、健康診断のようなイメージで現状を把握します。
発見した課題を重要度や緊急度で整理し、無理のない段階的な改善プランを作成します。まずは基盤整備や緊急対応から始め、徐々に機能改善や差別化へと進めていくのがおすすめです。
データやグラフ、ビジュアルを活用しながら、現状の課題や改善案、期待効果を分かりやすくまとめます。ストーリー性を持たせて、クライアントに「未来の成功イメージ」を描いてもらえるように心がけます。
実装フェーズでは、進捗や品質、コミュニケーションをしっかり管理します。効果測定も大切にし、技術的な指標やビジネス成果、満足度などを定期的に確認しながら、継続的な改善につなげていきます。
脆弱性・セキュリティ対策
従来のやり方では、脆弱性が発見されてから慌てて対策をしたり、最低限のパッチだけを当てたり、インシデントが起きてから事後対応をしたりすることが多かったかもしれません。
攻めの保守においては、Webサイトの脆弱性やセキュリティリスクへの先回りな対応も非常に重要です。近年はサイバー攻撃の手口が高度化・多様化しています。
「安全性の見える化」と「先手のセキュリティ対策」を重視し、安心してWeb運用を続けていただける体制づくりをお手伝いしましょう。
サイトやシステムの脆弱性診断を定期的に行い、潜在的なリスクを早期に発見します。診断結果に基づき、必要なパッチ適用や設定変更、不要な機能の無効化など、具体的な対策をご提案します。
CMSやプラグイン、サーバーソフトウェアなどのアップデート情報を常にウォッチし、脆弱性が報告された際は速やかに対応します。自動化ツールの活用や、アップデート手順の標準化もご支援可能です。
パスワード管理やアクセス権限の見直し、バックアップ体制の強化、不正アクセス監視など、運用面でのセキュリティ強化もご提案します。スタッフ向けのセキュリティ教育や、インシデント発生時の対応フロー策定もサポートします。
業界動向や最新の攻撃手法、法規制(個人情報保護法・GDPR等)への対応状況も定期的にご案内し、必要に応じて追加対策をご提案します。
パフォーマンス改善
攻めの保守では、セキュリティだけでなくWebサイトのパフォーマンス最適化も重要なテーマです。表示速度や安定性の向上は、ユーザー体験やSEO、コンバージョン率の向上にも直結します。以下のようなパターンでパフォーマンス改善をご提案できます。
「サイトが遅い」と指摘されてから対応するのではなく、Core Web Vitalsの継続的な監視や、ユーザー体験向上のための具体的なご提案、ビジネス成果との関連性分析などもご一緒に考えていきましょう。
取り組みやすい内容から順番にご紹介します。
画像の圧縮やWebP形式への変換、不要な画像の削除、CSS・JavaScriptの圧縮・結合などで、ページの読み込み速度を大幅に改善できます。
ブラウザキャッシュやサーバーキャッシュ、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)の導入により、アクセス集中時でも安定した表示を実現します。
使われていないプラグインや外部スクリプトを洗い出し、削除・無効化することで、無駄なリソース消費を抑えます。
サーバースペックや設定の最適化、PHPやデータベースのバージョンアップ、SSL設定の高速化など、インフラ面からもパフォーマンスを底上げします。
PageSpeed InsightsやLighthouseなどのツールを活用し、現状のスコアや課題を可視化。改善前後の効果もレポートでご報告します。
攻めの保守のはじめ方
具体例を見てきましたが、いきなり全クライアントに対してこの通りに進めるのではなく、まずはこれまでの保守業務を棚卸し、自社のリソースを確認しながら一部のクライアントで進めることが重要です。

スポーツも準備運動が大事なように、保守の転換も準備が大事です!

現状の保守業務を棚卸しする
これまでに対応してきた保守業務を棚卸ししてみましょう。
契約内容や工数、クライアント満足度などを整理することで、改善のヒントが見えてきます。
また、対応した日付で集計をすることで、この時期はこんな依頼が集中する、ということも見えてきます。
時期を先回りしてクライアントに声かけをすることは攻めの保守の第一歩と言えます。

「トコトン」は保守依頼にタグ付けを行い、集計する機能があります!種別や時期を確認しやすくなっています。
攻めの保守への適応性を評価する
社内スキルやリソース、クライアントの改善意欲や予算、競合他社の動向などを確認し、無理のない範囲から始めてみてください。いきなりしっかりした提案を作っても、クライアント側に受け入れる余地がなければ徒労に終わってしまいます。

まずは特定のクライアントに対して始めてみて、どのような提案が喜ばれ、導入が進んでいくのか、少しずつ進めていくのがおすすめです!
攻めの保守のポイント
攻めの保守で意識すると良いポイントをまとめました。
予防的アプローチ
予防的なアプローチを行う際は、下記の意識を持って進めるようにしましょう。
- 問題が起きる前に、先手を打って対策する
- 定期的な健康診断やメンテナンスで安心をサポートする
- リスクを早めに見つけて、未然に防ぐことを目指す
改善提案型サービス
改善提案を行う際は、下記のポイントを抑えましょう。
- データ分析をもとに、具体的な改善案を提案する
- 投資対効果(ROI)を丁寧に伝える
- 段階的で無理のない実装プランを用意する
戦略的パートナーシップ
クライアントからの指示を基に進める関係性から、クライアントの半歩先を行く戦略的パートナーシップの関係性に変わります。
- クライアントのビジネス目標をしっかり理解する
- 長期的な成長を一緒に考える
- 継続的に価値を生み出せる関係を目指す
内製化支援のアプローチ
簡単な修正は自社で行い、費用を抑えてスピーディーに対応したいという内製化の需要が高まっています。クライアント企業のスタッフへの技術移転をサポートする際に意識するポイントは以下になります。
- 担当者のスキルレベルや業務状況を丁寧に把握する
- 専門用語を避けた説明や実践的な研修を心がける
- 一度にすべてを移管するのではなく、段階的で無理のないスキル向上プランを提案する
- 内製化後も継続的なサポート体制を整え、困ったときにすぐ相談できる環境を維持する
まとめ
攻めの保守は、これからのWeb保守業界にとって大切な選択肢のひとつです。受け身の保守から提案型の攻めの保守へと少しずつシフトすることで、サービス品質やクライアント満足度、ビジネスの持続性が高まっていきます。
成功のポイントは、データに基づくアプローチや信頼関係、組織的な取り組み、適切なツールの活用、そして継続的な価値創造です。
まずは小さな一歩から、現状分析や改善提案、提案資料の作成など、できることから始めてみてください。
未来のWeb保守は、攻めの保守から始まります。今こそ、その第一歩を一緒に踏み出してみませんか?

提案が売り込みと取られないかな…?と心配な方はこちらの記事もおすすめです!
攻めのWeb保守にトコトン

攻めの保守を効率的に実現するには、管理ツールやシステムの活用がおすすめです。Web保守専用管理ツール「トコトン」には、提案型保守サービスをサポートする独自の機能がたくさんあります。
体系的な提案管理ができる
トコトンの提案機能では、改善提案の起案が行えます。クライアント側も「受け入れ」「辞退」を選べるので、納得感のある進め方ができます。


履歴管理で保守業務を丸ごと可視化
Webサイトの変更や提案の履歴もすべて一元管理できます。
スレッド単位で管理できるため、同じ相手でも別件の話が交錯せず情報整理がスムーズです。

依頼ごとにタグ付けをして集計することも可能で、保守業務の棚卸にも便利です。

Web保守に特化した専門設計
「トコトン」は、日々の細かい更新依頼の情報を一元化できるプロジェクト管理ツールです。
下記のように、Webサイトの保守・管理・運用に特化した様々な機能を搭載しています。
- 作業ごとにスレッド化できるから、同時多発で発生する作業を整理できる
- 案件ステータスを「依頼中→対応中→確認中→公開済」などに整理し、誰でも一目で状況把握が可能に
- 個人単位でタスクを割り振りし、一覧表示も可能
- 各案件にコメントやファイルを紐づけることで、過去のやり取りも簡単に追跡可能
- カレンダー表示でタスクの抜け漏れを予防
- ユーザー数無制限だから関係者全員で情報を確認可能
タスク割り当て

タスクの振り分け機能でスムーズな引き継ぎが可能です。提案後のタスクの割り当てもスムーズに行えます。

一覧画面で、担当者とタスクを一目で確認できます。
攻めの保守にトコトンをぜひご活用ください。
無料デモ体験の申し込みも受け付け中です。
詳しいサービス内容については、依頼管理ツール「トコトン」サービスサイトからご確認ください。


