2025年以降、SSL証明書の有効期限が段階的に短縮される方針が発表され、証明書の更新頻度が増えることが確実となりました。これまで以上に証明書更新の手間がかかるほか、更新漏れのリスクも高まると予想されます。
この記事では、Webサイトの保守担当者に向けて、SSL証明書の有効期限が短くなる背景や今後の課題、更新の手間を軽減するための対策方法について詳しく解説します。

サーバー管理にばかり時間をとられて忙しくなってしまう前に、できる対策は進めていきましょう!
SSL証明書の有効期限が短くなる背景

インターネット上の安全な通信を確保するために、電子証明書の発行や管理に関するガイドラインを策定する国際的な業界団体であるCA/Browser Forum(CA/Bフォーラム)による決定によるものです。
現在、SSL/TLS証明書の最大有効期間はCA/Browser Forumの要件により398日以内(実務上は397日以内)が標準となっています。しかし、Googleがセキュリティ強化の一環としてさらに短い期間(90日)への移行を提案しています。
CA/Browser ForumではApple提案のBallot SC‑081v3が承認され、2026年以降段階的に200日→100日→47日へとTLS証明書の有効期間が短縮されるスケジュールが決定しています。
有効期限が短くなる理由
SSL証明書は、暗号化通信の信頼性を担保する重要な要素です。
しかし、万が一証明書が漏洩したり、不正発行が行われた場合、その影響を最小限にとどめるには「有効期間の短縮」が有効とされています。有効期限を短くすることで、不正な証明書が流通し続ける時間を減らせるというメリットがあるのです。

頻繁な更新がもたらす課題
安全性を高めるために有効期限を短縮することが有効ではありますが、一方でWebサイトの保守担当者にとってはデメリットもあります。
更新作業の手間増加
証明書の発行・CSR生成・サーバー設定・再起動・更新確認…といった一連の作業は、保守担当者にとって大きな負担です。更新頻度が増えることで、これまで以上に作業時間や人的リソースが必要となります。
更新漏れリスクの増加
対応漏れによってSSLが切れてしまうと、ブラウザに「保護されていない通信」と表示され、ユーザー離脱や信用低下の原因となります。特に複数ドメインを運用している場合、更新管理が煩雑になり、更新漏れリスクが高まります。
SSL証明書の更新がされなかったときに起きること
更新が必須のように言われていますが、期限内の更新ができなかったらどうなるのでしょうか?
SSL証明書の更新が漏れてしまうと、ウェブサイトの運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。
サイトへのアクセスが遮断される
SSL証明書の有効期限が切れると、ブラウザは「この接続ではプライバシーが保護されません」などの警告を表示し、ユーザーがサイトにアクセスできなくなります。サイトの閲覧が不可能となり、サービスの停止や顧客の離脱が発生します。
ユーザーの信頼を損なう
警告メッセージが表示されることで、ユーザーはサイトの安全性に疑念を抱き、信頼を失う可能性があります。特に、個人情報や決済情報を扱うサイトでは、信頼の喪失が顧客離れやブランドイメージの低下につながります。
SEO評価の低下
HTTPSはGoogleのタイブレーカー的シグナル(他の要素で同点になった時に順位を決める追加要素)として機能します。証明書切れそのものがスコア低下要因ではありませんが、切れた状態による警告表示やアクセス不能がユーザー行動に影響し、結果的に検索順位に悪影響を及ぼす可能性があります。
セキュリティリスクの増大
SSL証明書が無効になると、通信が暗号化されなくなり、第三者によるデータの盗聴や改ざんのリスクが高まります。これにより、ユーザーの個人情報や機密情報が漏洩する危険性があります。
コンプライアンス違反となる可能性
医療や金融などの業界では、SSL証明書の有効性が法的な要件となっている場合があります。証明書の期限切れは、法令違反や契約違反となり、罰則や損害賠償の対象となる可能性があります。

有効期限内に更新しないと、SSL証明書が無効になり、さまざまな問題を引き起こします。
SSL更新漏れを防ぐための対策
このように、SSL証明書の更新は必ず行わなければならないものであると言えます。しかし、今後SSL証明書の有効期限が短縮されていくことで、有効期限切れのリスクが高まります。それに備えるためには、作業負荷を減らし、人的ミスを防ぐ仕組みづくりが必要です。以下に代表的な対策方法を紹介します。
自動更新機能のある証明書を選ぶ
「Let’s Encrypt」や「ZeroSSL」などの無料SSLサービスは、証明書の取得や更新を自動化するACME(Automatic Certificate Management Environment)プロトコルに対応しています。サーバー側でスクリプトを設定することで90日ごとの自動更新が可能です。証明書費用がかからないという点でもコスト削減に貢献します。
サーバー・サービス側の自動更新機能の活用
多くのホスティングサービスでは、SSL証明書の自動更新機能を提供しています。
今利用しているプランが自動更新に対応しているかチェックし、対応している場合は設定を行い、対応していない場合はプラン変更やサーバー乗り換えも検討しましょう。
商用証明書管理ソリューションの導入
企業向けのソリューションとして、以下のような商用の証明書管理プラットフォームもあります。
証明書の発行から更新、失効までを自動化し、統合的な管理が可能です。ACME、SCEP、ESTなどのプロトコルに対応し、多様な環境での運用が可能です。
証明書のライフサイクル全体を管理し、DevOpsツールとの統合やリアルタイムの監視機能を提供します。
管理表・アラート機能の導入
自動更新が難しい環境では、SSL証明書の期限管理表を用意し、更新期限が近づくとアラートを通知する仕組みを構築しましょう。Googleカレンダーや外部監視サービスを活用することで、リマインドの自動化が可能です。

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管理業務を外部パートナーに委託する
複数サイトのSSL更新に不安がある場合は、Web制作会社やITベンダーに管理・更新業務を委託するのも一つの手です。社内負荷を軽減し、万全のセキュリティ体制を維持することができます。
属人化防止の視点でも有効
SSLの更新業務は「誰が対応しているか分からない」「情報が共有されていない」といった属人化の温床にもなりがちです。自動更新や一元管理の仕組みを導入することで、万一の引き継ぎ時にも混乱を防ぐことができます。保守業務の見直しや改善を図るうえでも、SSL証明書の管理方法を整えることは非常に重要です。
Webサイト保守の効率をアップする
SSL証明書の更新頻度が上がるこれからの時代、保守担当者には「効率的な対応」と「更新漏れ防止」の両立が求められます。そのためには、更新自動化の仕組みを取り入れ、作業の属人化を防ぐ環境づくりが欠かせません。
まずは現在の運用状況を棚卸しし、使用している証明書や更新体制を見直すことから始めてみましょう。
SSL証明書の更新に限らず、Webサイトの保守を効率化するための方法をまとめた記事もあります。
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Webサイト構築時と違って、Webサイト保守では小規模な案件を短納期でかつ同時進行する事が多くなります。トコトンは、保守・運用のきめ細やかな進捗把握が可能です。サイト構築時に使う一般的なプロジェクト管理ツールとの違いがここにあります。
トコトンでは、ステータス管理機能を採用しています。依頼の発生から公開、検収まで進捗状況を管理できます。
さらに、ステータス名は自社の環境に合わせて自由な名称に変更可能です。
これまで複数の作業者に対して口頭で確認していた進捗状況が、データで一元化できるため更新業務の属人化を防ぐことができるようになります。

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