私たちの会社では、さまざまなお客さまからお仕事をいただいてますが、一番多いのはホームページ制作です。当然ホームページを作った後のメンテナンス・保守(いわゆる“更新作業”)も専用のチームで対応しています。
最近「ホームページの更新をお願いしたい」と、保守だけを依頼されることがあります。
料金が高いから業者を乗り換えるつもりなのかな?と思っていたのですが、詳しく話を聞いてみるとそんなことが理由ではありませんでした。
では、なぜホームページの保守・管理会社を変える必要があるのでしょうか。
そして、保守・管理会社を継続していただくためには、どうしたら良いのか、発注元のお客さまとウェブ制作会社の両視点で考えてみました。

【契約終了の原因①】 保守内容(契約)が曖昧なままスタートしている

ホームページの保守とは
そもそも、ホームページの保守とは何でしょうか?
ホームページの保守とは、ウェブサイトを最新の状態に保ち、正常に機能させるための継続的な作業を指します。これには、定期的な更新、セキュリティ対策、技術的な問題の解決など、様々な要素が含まれています。
ホームページの保守の内容
保守にはどんな内容があるか、もう少し具体的に見ていきましょう。
こちら記事でも詳しく解説しています。
公開した状態のままでは、情報の鮮度が落ちていきます。定期的な更新はもちろん、新たなコンテンツを追加していくことで常に最新の情報を提供できます。
また、更新時にはこれまでのコンテンツのトーンを維持し、品質を落とさないことも大事です。
ドメインとサーバーの管理は、ホームページの基盤となる重要な要素です。
ドメインの更新期限の管理やサーバーの死活監視、データの定期的なバックアップなどを行い適切に管理することで、ホームページの安定稼働を確保できます。
SSLサーバー証明書は、ホームページのセキュリティを保証し、ユーザーの信頼を得るための重要な要素です。
ドメインやサーバーとは別の管理になっている場合も多く、うっかり更新が漏れてしまうことも。
最近のブラウザはSSL証明書が必須な場合も多く、更新漏れでサイトが見れなくなってしまった!というお話を聞くことも増えました。
CMSを導入している場合、プラグインの定期的なバージョンアップは、セキュリティと機能の両面で重要です。しかし、自動アップデートによってサイトが開けなくなってしまったという例も少なくありません。自動アップデートに頼らず、バックアップの取得や動作確認などの適切な手順でのバージョンアップが行えるようにしておきましょう。
構築時は最新のブラウザや端末でチェックしていても、公開後時間がたつと未確認の環境が増えてきます。
新しいブラウザや端末に対応することで、より多くのユーザーにアクセスしやすいウェブサイトを維持できます。
ウェブサイトに問題が発生した際の迅速な対応は、ユーザー体験と信頼性の維持に不可欠です。
切り分けを行い、原因を特定したら、復旧作業を行います。復旧作業はサーバー障害など、必ずしも制作会社側では対応できない場合もありますが、どこまで費用内で対応するのか、事前の取り決めも大事ですし、迅速に対応できるのかが信頼のカギとなります。
このように、「ホームページの保守」とひとくちに言っても、実際には多様な業務が含まれており、実際にスタートしてみると想定していた作業量とかけ離れている場合も少なくないのです。
しかし、ホームページ制作会社の中には、次回のリニューアル案件をお客さまから相談いただくまでの繋ぎとして保守業務を受けているケースがあります。
その場合、安価で保守内容を明確にしないまま、「なんでも言ってください!」で保守契約をスタートさせてしまっていることがあるのです。
これは、「サイト保守は儲からなくてもOKでリニューアルで利益を出す」という考えです。
これはお客さま視点で見ればなんでもやってくれる優良な制作会社の様に見えます。
しかし、更新作業の量が想定よりも多くなってきた制作会社は、納期やメールの返事が遅れがちになります。
保守は儲からなくても良いと思ってスタートしたにもかかわらず、数カ月運用しているうちに割に合わないという考えが出てきます。
結果、「なんでもやります」と言っていた制作会社が、「なにもやらない」会社に見えてしまい、保守会社を変える。という行動につながっていることに、相談をいただいたお客さまからの話を聞いて気が付きました。
当たり前の話ですが契約内容を明確にしておくことは双方にとってサイト運用を円滑に進めるためには重要です。
ホームページの保守の費用の相場
では、実際の保守費用として、どの程度提示しておけば望ましいと言えるのでしょうか?
もちろん、ホームページの規模や複雑さ、必要なサービスの範囲によって大きく異なります。
約10年前に私たちが調査したときは、月額5,000円~5万円程度が相場でしたが、そのころに比べて様々なサービス利用料、人件費が高騰しています。
以前調査した記事はこちらです。一般的に、ホームページ管理・保守契約にどのようなサービスが含まれているかについてもまとめています。ぜひ参考にしてみてください。
しかし、この金額を鵜呑みにしてお客さまに提示すればよいということではありません。
ホームページの保守費用の検討が重要な理由
保守費用の検討は、長期的なウェブサイトの運用と予算管理の観点から非常に重要です。適切な保守費用を設定することで、質の高いサービスを受けながら、予算の超過を防ぐことができます。
どのようなポイントで保守費用を検討するのが良いか、主要なポイントをまとめました。
- 最低限の保守作業:月額約5,000円
- コンテンツ更新まで:月額5,000円〜
- レポート作成まで:月額20,000円〜
- 集客面のサポートまで:月額50,000円以上
- サーバー代:月額1,000円〜
- ドメイン代:年額500円〜(月額換算で約100円〜)
- SSL証明書:月額0円〜
- サイト更新・修正代:月額5,000円〜
- アクセス解析代:月額数千円〜
まとめると、保守費用を検討する際は、以下の点を考慮する必要があります。
- 自社で対応可能な作業の範囲
- 外部委託が必要な専門的な作業
- ウェブサイトの規模と複雑さ
- 更新頻度や必要なセキュリティレベル
しかし、これらの検討ができていないまま保守契約がスタートしているお客さまと制作会社はまだまだ多いようです。長く付き合っていくためには、お互い無理のない契約内容にすることが必要です。
お客さま
なんでもやりますという言葉に惑わされずに契約内容を制作会社と一緒に決める。
ウェブ制作会社
対応できる制作量を予め契約内容に含めておく。どれくらい依頼されたかの見える化してお客さまと共有する。
【契約終了の原因②】 提案してくれない

ホームページの管理会社を変える理由としてよく聞く言葉は「提案してくれない」です。
リニューアル前には頻繁に提案してくれていたのに、保守・運用が始まると「更新作業はやってくれるけど、提案してくれなくなった。」と、相談に来るお客さまからお聞きすることがあります。
そもそも、「提案と言われても?」という感情も生まれるかもしれません。
制作会社からすると、「更新作業をする」契約を結んでいるのだから提案がないのは当たり前・・・と言いたくなるのですが、お金を払ったものに対して提供されるサービスには価値を感じにくいものです。
お客さまが求めているのは付加価値を提供してくれるパートナー
お客さまは、プラスアルファで満足を提供してくれるパートナーを欲しているのです。
つまり、どれだけ付加価値を提供してくれるのかということです。
多くのお客さまは、単なる更新作業だけでなく、ウェブサイトの改善や最適化についての提案を求めています。
ここでお客さまと管理会社であるウェブ制作会社の意識の違いが発生しています。
「提案」は、“売り込み”か“付加価値の提供”か
ウェブ制作会社側は「提案」をどう捉えるのでしょうか?“売り込み”と考えるか“付加価値の提供”と考えるか…
ホームページを作る事をメインにしている制作会社は、サイトを作ること自体が収益源なので、“提案=売り込み” と捉える傾向にあります。
そうなると提案するのは新たな仕事を取りに行くための行為になりますので、既存顧客である保守契約を結んでいる会社は優先度が低くなります。
「提案=付加価値の提供」にしていくべき
ホームページを作ること自体を糧にしていると、“提案=売り込み”にならざるを得ません。
制作会社が保守契約を切られないためには、“提案=売り込み”の考えを改め、“提案=“付加価値の提供”にしなければなりません。
相談に来たお客さまから、よくよく話を聞いてみると「提案」といっても、膨大なデータを分析して、分厚い提案書をつくってプレゼンすることを提案と言っているのではなさそうです。
お客さまに寄り添ったアドバイスを簡単でいいから適時にしてもらえれば良いのだと感じました。
どのような付加価値を提供するか
では、保守管理を担うウェブ制作会社は、具体的にどんな付加価値を提供できるのでしょうか?
ウェブの専門家として、提供できる付加価値はたくさんあります。
Google Analyticsなどのツールを使用して、ウェブサイトのパフォーマンスを分析し、改善点を提案することができます。
例えば、ウェブ制作会社でGoogle Analyticsを見たことがない人はほとんどいないでしょう。大仰な分析はできなくとも、どんな情報を得る事ができるかはだいたい知っています。
このデータを見ながら「このページは滞在時間が短いからこうした方が・・・」といった雑談を電話で行うだけでも、お客さまからすれば立派な“提案”だということです。
ウェブデザインや技術のトレンドを踏まえた提案は、汎用的に複数のお客さまに行うことができます。制作会社側にとっては誰でも知っている、当たり前の情報に感じることでも、お客さまにとっては貴重な情報なのです。情報提供という体で、セキュリティやSEOのトレンドなどを共有することで、新たな仕事につながる場合もあります。
こういった対応が、お客さまにとって“付加価値”となるのです。
ホームページの保守の運用で決めておくこと
付加価値の提供が大切とはいえ、頻度は考えないといけません。毎日そんな電話をしていたら本業が滞りますので、それは各ウェブ制作会社で、どれだけ時間を捻出できるのか、誰がどのくらいのサイクルで対応するのかなど、仕組みを構築しなければなりません。
ここで、保守をスムーズに行う仕組みを構築するために決めておくべきことをまとめておきます。
保守作業の具体的な範囲を明確に定義することが重要です。更新頻度や対応範囲などを明確にしておくことで、対応にあたる人員の計画を立てることができます。
誰がどのような頻度で保守作業を行うかを決めておくことで、効率的な運用が可能になります。主担当や役割分担を明確にしておくことで、緊急時の対応もしやすくなります。
保守作業で生成されたコンテンツや修正の著作権帰属を明確にすることで、将来的なトラブルを防ぐことができます。
成果物の利用範囲という点で、例えば会社案内などの紙媒体への転用や、別の求人媒体で活用する場合などに、トラブルが起きやすいものです。制作会社側とお客さまのどちらに権利があるのか、事前に明確にしておきましょう。
以上の点を考慮し、明確な契約内容と定期的な提案を心がけることで、ホームページの管理・保守契約を長期的に継続することができるのです。
お客さま
ホームページ更新作業に加えて、課題の発掘と解決策の提案を含めた保守をして欲しいと依頼する。
ウェブ制作会社
保守契約時に定期的な提案をすることを含める(もちろん料金いただいて)。
ホームページの管理・保守には「トコトン」の活用がおすすめ!

「トコトン」は、Webサイトの保守・管理・運用に特化した様々な機能を搭載したプロジェクト管理ツールです。
下記のような機能を搭載しており、定型化した保守・管理・運用を実現することができます。
- クライアント情報/契約内容登録機能
- プラン/サービス登録機能
- ステータス管理機能
- タスク割り当て機能
- カレンダー型公開日管理機能
- ポイント機能
ウェブ制作に特化した「ステータス管理機能」

トコトンでは、保守・運用に特化したステータス管理機能を採用しています。依頼の発生から公開、検収まで進捗状況を管理できます。
さらに、ステータス名は自社の環境に合わせて自由な名称に変更可能です。
これまで複数の作業者に対して口頭で確認していた進捗状況が、データで一元化できるため更新業務の属人化を防ぐことができるようになります。
月単位の予定を視覚化する「カレンダー型公開日管理機能」

トコトンでは、公開日をはじめ、サイト更新に関わるタスクをカレンダーをベースに管理できます。
また、過去のカレンダーを確認することで、月末月初や年度末、年度初めなど依頼が集中しやすい時期を把握することが可能です。
こちらからクライアントに今年も同様の更新があるかを確認し、余裕を持って依頼を受けることで、業務集中を分散することができるようになります。
「トコトン」には、私たちの長年のホームページの保守・管理のノウハウが詰め込まれています。ぜひご活用ください。
無料デモ体験の申し込みも受付中です。
詳しいサービス内容については、依頼管理ツール「トコトン」サービスサイトからご確認ください。

