証跡管理とは、簡単に言えば「誰が、いつ、何をしたか」の記録を残すことです。わかりやすく言うと、業務でトラブルが起きたときの「振り返りメモ」のようなものです。
特にこれから上場を目指す企業の場合、必須の取り組みであるため、新たに証跡管理を始めたいという企業もあるのではないでしょうか。
この記事では、証跡管理の基本から、実際にどう始めたらいいかまで、丁寧に解説していきます。

証跡管理を導入することになったが、何から手を付けたらいいのかわからない…そんなときにぜひ読んでください!
証跡管理とは何か

証跡管理の基本的な概念
「証跡(しょうせき)」とは、広義には「証拠となる痕跡」を意味します。ビジネスシーンにおいては、業務プロセスや従業員の行動、システム上の処理などが、法令や社内規定に則って行われていることを示す記録やログを指します。これらの記録は、業務の透明性や健全性を担保する上で重要な役割を果たします。
証跡管理とは、業務プロセスやシステム操作の履歴を記録・保存し、必要に応じて確認・分析できるようにすることです。証跡管理を行うことで、業務の正当性や透明性を確保し、不正行為の抑止や問題発生時の迅速な対応が可能になります。
証憑との違い
証跡と類似した用語に「証憑(しょうひょう)」があります。証憑は、取引の事実を証明する書類を指し、契約書、請求書、領収書などが該当します。一方、証跡は業務全般に関する記録を指し、業務の適切性を示すためのログや記録を含みます。つまり、証憑は証跡の一部と位置づけることができます。
ビジネスにおける重要性
企業活動において、証跡管理は内部統制の強化やコンプライアンス遵守のために重要です。特に、上場企業や上場を目指す企業では、証跡管理の取り組みが不可欠とされています。

これから上場を目指す場合、避けて通れない取り組みになります。
証跡と監査の関係
証跡は、監査対応においても重要な役割を果たします。業務が適切に行われていることを証明するための記録として、監査証跡の提出が求められる場合があります。
証跡管理に取り組むことは、効率的な監査対応を実現するためにも重要です。日常的に証跡を適切に保存・管理しておくことで、監査時に迅速かつ正確に必要な情報を提供でき、監査対応の負担軽減につながります。
法的要件としての証跡
多くの法律や規制では、特定のデータの取り扱いやアクセスに関する詳細な記録を保持することが義務付けられています。
例えば、電子帳簿保存法では、国税関係書類を電子保存する場合、「誰が・いつ・何を」処理したかを記録・保存する証跡(ログ)の保持が義務付けられています。
証跡管理を適切に行うことで、これらの法的要件を満たすことができます。
技術的視点からの証跡管理
技術的には、システムログやアクセスログ、操作ログなどを収集・保存し、必要に応じて分析・報告する仕組みが求められます。この仕組みを用意することで、セキュリティインシデントの早期発見や原因究明が可能になります。
証跡管理のメリット

面倒な印象を持たれる証跡管理ですが、導入することによるメリットも多くあります。
セキュリティの向上
証跡管理により、システムへの不正アクセスや内部不正の抑止が可能になります。また、万が一のインシデント発生時にも、迅速な対応が可能になります。
コンプライアンスの遵守
証跡管理は、法令や規制、業界標準に準拠するための重要な手段です。適切な証跡を保持することで、監査対応や報告義務を果たすことができます。
効率的な問題解決
業務上の問題やトラブルが発生した際、証跡を参照することで、迅速かつ正確な原因究明と対応が可能になります。
データの信頼性強化
証跡管理により、データの改ざんや誤操作を防止し、データの信頼性を高めることができます。
不正行為の抑制
従業員や関係者に対して、行動が記録されているという意識を持たせることで、不正行為の抑止効果が期待できます。
導入する際のステップ
証跡管理を導入する際は、適切な手順で行うことで手戻りを防ぎ、よりよい形での導入が行えます。
まず、自社の業務プロセスやシステム環境を評価し、証跡管理の目的や範囲を明確にします。その上で、導入計画を立案し、関係者との合意を得ます。
証跡管理には、専用のツールやシステムが必要です。自社の要件や予算、運用体制に応じて、最適なツールを選定します。
証跡の収集・保存・分析・報告といったプロセスを設計し、選定したツールを用いて実装します。この際、業務フローやシステム構成との整合性を確認することが重要です。
証跡管理を効果的に運用するためには、関係者へのトレーニングや導入支援が欠かせません。操作方法や運用ルールを周知し、スムーズな導入を図ります。
導入後も、定期的に証跡管理の運用状況をレビューし、必要に応じて改善を行います。そうすることで、継続的な効果の維持と向上が期待できます。
証跡管理ツールの比較
証跡管理には、さまざまなツールが存在します。業務形態や用途によって必要な機能は異なりますが、PCの操作ログを取得することは共通で必要になります。

PCログ取得の主要なツールを3つ紹介します。
SKYSEA Client View(Sky株式会社)
IT資産管理やログ管理、デバイス管理などの機能を備えたクライアント運用管理ソフトウェアです。オンプレミス版とクラウド版があり、直感的な操作性が特徴です。
MylogStar(株式会社ラネクシー)
PC操作ログの収集・管理に特化したログ管理システムです。スタンドアロン型やクラウド型など、さまざまな導入形態に対応しています。
System Support best1(SS1)(株式会社ディー・オー・エス)
IT資産管理と操作ログ管理を一元化したクラウド対応ツールです。エージェントレスでの導入も可能で、ネットワーク負荷を抑えつつスムーズな導入が可能です。
クラウドベースとオンプレミス
証跡管理ツールには、クラウドベースとオンプレミスの2つの形態があります。クラウドベースは導入や運用が容易で、スケーラビリティ(拡張性)に優れています。一方、オンプレミスは自社内での管理が可能で、セキュリティやカスタマイズ性に優れています。
選定基準と評価ポイント
ツール選定の際には、以下のポイントを考慮しましょう。
- 自社の業務プロセスやシステム環境に適合するか
- 導入や運用のコスト
- セキュリティやコンプライアンスへの対応状況
- サポート体制や導入実績
成功する証跡管理のためのポイント
経営陣の理解とサポート
証跡管理の導入には、経営陣の理解とサポートが不可欠です。経営層がその重要性を認識し、リソースの確保や方針の明確化を行うことで、全社的な取り組みが可能になります。

上場を目指す場合など、会社としての取り組みを行う場合はトップダウンでの導入推進が向いています!
適切なリソース配分
証跡管理の運用には、専任の担当者や適切な予算の確保が必要です。リソースを適切に配分することで、継続的な運用と改善が可能になります。
継続的なメンテナンスとサポート
証跡管理は導入して終わりではありません。定期的なメンテナンスやサポートを行い、システムの安定稼働と効果の維持を図りましょう。
情報の透明性とアクセス権限
証跡情報は、適切なアクセス権限の設定と情報の透明性を確保することが重要です。そうすることで、関係者が必要な情報にアクセスでき、業務の効率化や問題解決が促進されます。
「トコトン」を証跡管理に活用
プロジェクト管理ツール「トコトン」は、クライアントとのやり取りにおける証跡管理の強化に役立ちます。
業務の依頼から対応までのプロセスを一元管理し、各ステップの履歴を自動的に記録・保存します。これにより、業務の透明性が向上し、属人化の防止や監査対応の効率化が実現します。
トコトンの導入により、証跡管理の負担を軽減し、業務の効率化を達成できます。

自社業務に合わせた「ステータス管理機能」

トコトンでは、ステータス管理機能を採用しています。クライアントからの依頼の発生から検収まで進捗状況を管理できます。
さらに、ステータス名は自社の業務や環境に合わせて自由な名称に変更可能です。
スレッド内の一連のメッセージは、ステータスごとに区切られており、いつ誰が何を発言したかタイムスタンプ付きで記録されるため、プロセス単位で情報を遡りやすく証跡管理に有効です。
そのメッセージを一括でExcel形式でダウンロードすることも可能ですので、ステータスごとの履歴をまとめて証跡管理に活用できます。
クライアントからの指示が明確になり、保存もできる「画面メモ」(AUN)
WebサイトのURLからスクリーンショットを撮影し、そこにコメントや作業指示をつけたURLを発行することができます。修正指示のやりとりをするときに非常に便利です。

ふせん紙の感覚でサイトのスクリーンショットや画像にメモを貼り共有できるため、直感的な修正指示が行えます。

この機能により、テキストだけでは受け取りようによって曖昧になってしまいがちな、制作物に関するやりとりの証拠を“見える化”できるようになります。作成した画面メモはPDFで書き出すことができ、監査やクレーム対応時にも有効なエビデンスとなります。
証跡管理にも「トコトン」をぜひご活用ください。
無料デモ体験の申し込みも受け付け中です。
詳しいサービス内容については、依頼管理ツール「トコトン」サービスサイトからご確認ください。





