私たちの会社では、さまざまなお客さまからお仕事をいただいてますが、一番多いのはホームページ制作です。当然ホームページを作った後のメンテナンス・保守(いわゆる“更新作業”)にも対応しています。
最近「ホームページの更新をお願いしたい」と、保守だけを依頼されることがあります。
料金が高いから業者を乗り換えるつもりなのかな。と思っていたのですが、詳しく話を聞いてみるとそんなことが理由ではありませんでした。
では、なぜホームページの保守・管理会社を変える必要があるのでしょうか。
そして、保守・管理会社を継続していただくためには、どうしたら良いのか、発注元のお客さまとウェブ制作会社の両視点で考えてみました。
【契約終了の原因①】 保守内容(契約)が曖昧なままスタートしている
ホームページ制作会社の中には、次回のリニューアル案件をお客さまから相談いただくまでの繋ぎとして保守業務を受けているケースがあります。
その場合、安価で保守内容を明確にしないまま、「なんでも言ってください!」で保守契約をスタートさせてしまっていることがあります。
これは、「サイト保守は儲からなくてもOKでリニューアルで利益を出す」という考えです。
これはお客さま視点で見ればなんでもやってくれる優良な制作会社の様に見えます。
しかし、制作会社は更新作業の量が想定よりも多くなってくると、納期やメールの返事が遅れがちになります。
保守は儲からなくても良いと思ってスタートしたにもかかわらず、数カ月運用しているうちに割に合わないという考えが出てきます。
結果、「なんでもやります」と言っていた制作会社が、「なにもやらない」会社に見えてしまい、保守会社を変える。という行動につながっていることに、相談をいただいたお客さまからの話を聞いて気が付きました。
当たり前の話ですが契約内容を明確にしておくことは双方にとってサイト運用を円滑に進めるためには重要です。
しかし、これが出来ていないお客さまと制作会社はまだまだ多いようです。長く付き合っていくためには、お互い無理のない契約内容が必要です。
お客さま
なんでもやりますという言葉に惑わされずに契約内容を制作会社と一緒に決める。
ウェブ制作会社
対応できる制作量を予め契約内容に含めておく。どれくらい依頼されたかの見える化してお客さまと共有する。
一般的に、ホームページ管理・保守契約にどのようなサービスが含まれているかについては、こちらの記事にまとめています。ぜひ参考にしてみてください。
ホームページ管理・保守費用の内訳と相場とは?【契約終了の原因②】 提案してくれない
ホームページの管理会社を変える理由としてよく聞く言葉は「提案してくれない」です。
リニューアル前には頻繁に提案してくれていたのに、保守・運用が始まると「更新作業はやってくれるけど、提案してくれなくなった。」と、相談に来るお客さまからお聞きすることがあります。
そもそも、「提案と言われても?」という感情も生まれるかもしれません。
制作会社からすると、「更新作業をする」契約を結んでいるのだから提案がないのは当たり前・・・と言いたくなるのですが、お金を払ったものに対して提供されるサービスには価値を感じにくいものです。
お客様が求めているのは付加価値を提供してくれるパートナー
お客様は、プラスアルファで満足を提供してくれるパートナーを欲しているのです。
つまり、どれだけ付加価値を提供してくれるのかということです。
ここでお客さまと管理会社であるウェブ制作会社の意識の違いが発生していると感じるのです。
「提案」は、“売り込み”か“付加価値の提供”か
ウェブ制作会社側は「提案」をどう捉えるのでしょうか?“売り込み”と考えるか“付加価値の提供”と考えるか…
ホームページを作る事をメインにしている制作会社は、サイトを作ること自体が収益源なので、“提案=売り込み” と捉える傾向にあります。
そうなると提案するのは新たな仕事を取りに行くための行為になりますので、既存顧客である保守契約を結んでいる会社は優先度が低くなります。
「提案=付加価値の提供」にしていくべき
ホームページを作ること自体を糧にしていると、“提案=売り込み”にならざるを得ません。
制作会社は保守契約を切られないためには、“提案=売り込み”の考えを改め、“提案=“付加価値の提供”にしなければなりません。
相談に来たお客さまから、よくよく話を聞いてみると「提案」といっても、膨大なデータを分析して、分厚い提案書をつくってプレゼンすることを提案と言っているのではなさそうです。
お客さまに寄り添ったアドバイスを簡単でいいから適時にしてもらえれば良いのだと感じました。
どのような付加価値を提供するか
では、保守管理を担うウェブ制作会社は、具体的にどんな付加価値を提供できるのでしょうか?
ウェブの専門家として、提供できる付加価値ってたくさんあると思います。
例えば、Google analyticsは、ウェブ制作会社の人なら、だれでも見た事あるし、どんな情報を得る事ができるかはだいたい知ってます。
このデータを見ながら「このページは直帰率高いからこうした方が・・・」といった雑談を電話で行うだけでも、お客さまからすれば立派な“提案”だということです。
こういった対応が、お客さまにとって“付加価値”となるのです。
確かに頻度は考えないといけません。毎日そんな電話をしていたら本業が滞りますので、それは各ウェブ制作会社で、どれだけ時間を捻出できるのか、誰がどのくらいのサイクルで対応するのかなど、仕組みを構築しなければなりません。
お客さま
ホームページ更新作業に加えて、課題の発掘と解決策の提案を含めた保守をして欲しいと依頼する。
ウェブ制作会社
保守契約時に定期的な提案をすることを含める(もちろん料金いただいて)。
「トコトン」を使われているウェブ制作会社さんは保守に力を入れられている事が多いです。
システムを使って運用が定型化されているのでお客さまも制作会社もストレスが少なくホームページを運用できます。
保守に力を入れていきたい制作会社さまは是非トコトンを試してみてください。