サイト管理を効率化するエビデンスを残すという考え方

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せっかくWebサイトを作っても、更新が止まるサイトがあまりにも多く存在します。私たちのクライアントにも、せっかく作ったのに更新しなくては勿体ないですよ的なことを、言っているわけですが、思うように改善しません。これはもう、その担当者の問題ではなく、組織的な欠陥というか、Webサイト管理方法が確立されていないことに問題があるのではないかと思うのです。そのくらい、ありふれた課題です。Web制作を生業にしている私たちが、日々さまざまなクライアントと接する中で感じているところであります。

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制作する前には描けないサイト運用イメージ

とあるクライアントに、せっかくCMSを導入したのに1年以上もサイトが更新されていない理由を聞くと、「特に更新する内容がない。」なんて答えが返って来ます。ということは、これは設計の段階で、サイト更新など考えられておらず、将来に渡ってサイトを運用していくイメージが描けていなかったと言わざるを得ません。結果として、不必要なスペックのサイトを構築し、無駄に費用を垂れ流した。と捉えられても仕方がありません。頻繁に更新しないならCMSを導入するコストメリットが低くなるからです。

Webサイトを作る前には、その後のサイト管理について考える時間は極端に少ないと思います。やはりサイト構築の段階では、作る事だけに目が行き、サイトを公開した後の運用フェーズにまで目が行っていません。かなり大規模なサイトでないかぎり、サイトの管理責任者は誰なのか、サイト更新作業を行う人は誰なのか、更新内容についてどのようにコンセンサスをとるのかなど、リリースする前にしっかりと決めている例は少ないはずです。

私たちのような制作会社は、あくまでも制作費を頂くことが要で、サイト運用体制やコンセンサスのとり方などの仕組づくりにまで介入するという例は、ほとんどありません。そもそも、これらの調整事に対して費用をもらうという考えがありませんので、見積書にそんな項目が盛り込まれることは、ほとんどありませんでした。あくまでも作るプロであり、体制面の整備などにお金頂くことに違和感があったのかもしれません。

しかし、多くのサイトで起こっている、“サイト更新とまる問題”は、サイト構築時に運用イメージを事前に描けていなかったことが原因で起こっているのです。おそらく、ほとんどのWebサイトにおいて言えることだと思うのですが、情報の更新はサイトの価値を高める要素として欠かせない要素だと思います。日々のサイトの更新が、サイトの価値を高める行動であり、特に営利目的のサイトであれば、ECのような直接販売を目的とするサイトでなくても、インバウンドマーケティングの観点からは、積極的な情報更新によりユーザーとの接点づくりに励むことが、重要だと考えられます。ですが、不思議なことに通常業務としてWebサイトの更新業務が組みこまれている企業は少ない様に感じます。

 

業務としての意識が薄いサイト管理

あらゆる組織において、Webサイトを持つことが当たり前になっているわけですが、Webサイトの更新が通常業務として組み込まれていない状況にあります。そのため、自社のWebサイトでありながら、なぜ更新が止まっているのかも分からない、誰が関与しているのかも分からない、ブラックボックスになっています。多くの中小企業では、社長などの経営層や総務部、広報部があれば広報部ですが、特定の部署だけに関係のある事柄で、大半の職員にとっては無関係と捉えられがちです。単純に、サイト管理する担当者なり担当部署が、しっかり管理できればいいだけの話ですが、「本業が忙しくて手が回らない」というのはよく聞くフレーズです。これがボトルネックとなって、誰も手を付けられないブラックボックスになるのです。

サイトを構築する際に、その時だけの特命チームが結成され、プロジェクト体制が敷かれることが多くありますが、この場合、サイトの公開がゴールと設定され、その後のサイト運用について、ゴールを設定することは少ないようです。ですから、サイトの更新が一般的な業務に落とし込まれるレベルに至らないのではないでしょうか。

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管理状況を「見える化」し、サイト更新の停滞を防ぐ

サイト管理を効率化する為に、自社で管理するのではなく、広告代理店や制作会社に外部委託するという考え方があります。もちろん、その考え方を否定する
もではありませんが、委託の度合いによっては問題があると思います。

Webサイトに関する一切のことを、外部に丸投げしていて、社内の誰もまったく把握できていない、把握しようともしていない例が意外に多いのです(誰も把握していないのにレンタルサーバーの費用は支払われている不思議がしばしば起こっています)。サイトのオーナーは、サイトの管理を広告代理店や制作会社に任せっきりにするのではなく、自身がサイト構築から公開後の運用まで一貫して関わり、手中に納め、内外に管理状況を可視化させる必用があります。その為に、おすすめしたいのが記録を付けるということです。とても簡単なことなのですが、これができないのが人というものです。

やり方は、様々ですが、サイト更新を依頼する時や更新した後に、何かしらの記録を付けることを試みます。ほとんどの場合が、Excelで管理台帳は作ったけども、実際には記録されずに、古い日時のまま更新が止まっている。といったことになります。もし、この管理台帳の利用が滞っているだけなら、サイト更新そのものが滞るよりはマシと考えられるかもしれませんが、問題なのは誰も情報に触れることができないということです。

本人でさえ、1年前に行なったサイトの更新内容なんて覚えていません。ですから、これまで行った施策の成果を振り返ることが出来ないのです。ですから、あまり成果の出なかった施策を繰り返し行ったり、逆に毎年恒例となっている施策を見過ごしてしまうのです。担当者が変わってしまえば、そんな事態に陥ることは容易に想像できます。当事者以外に過去にどんな内容でサイト更新がて行われてきたのか知る由もなく、この時点で過去に遡ることが非常に困難になります。

サイト管理だけに限らず、どんな業務にも見える化は必要なのですが、おそらく基幹業務については、必然と可視化の仕組が構築されているはずです。しかし、Webサイトの管理については、記録が残っていて、それらの情報が社内に共有さ可視化されているケースは少ないようです。

 

サイト管理を暗黙知にしないために

組織のことですから、当然部署が移動して、他の人にサイト管理を引き継ぐという場面が発生するのですが、これまで行ってきたことや、業務遂行マニュアルなどの資料がまとまって残っていなければ、非常に困ったことになります。前任者が組織内にいるのであれば、助言を乞う事ができますが、退職してしまった時は悲惨です。何をどのようにすれば良いのか全く分からぬまま、委託先に問合せたり、ブラックボックスの調査に奔走するはめになるのです。

Webサイトについて、管理者の“暗黙知”にしないために、部署移動を見越して、業務内容の証跡を残すことは非常に大切です。そうしないと、部署移動や退職の度に、毎回誰かが無駄な時間を費やすことになってしまうのです。このことを考えれば、その組織の遺失利益も馬鹿に出来ないはずです。

大局で見ると、一定の期間毎に、まったく同じ活動を何度も行っているのですから、無駄以外のなにものでもありません。これを避けるには、一度、誰かが体験したことを記録しアーカイブ化することで、それらはナレッジとして継承され、次の人の知になるわけです。これは考え方として、共感して頂けるのではないかと思います。

実際には、エビデンスやノウハウを蓄積していくための、何かしらのプラットフォームが必要であり、これ自体の運用についても考えないといけません。もっとも身近なのは、専用のメールアカウントの作成です。例えば、「webkanri@sample.co.jp」のようなメールアドレスを作り、サイト管理に関する内容を、すべてこのメールアドレスに送信するということです。これにより添付ファイルも含めて、アーカイブ化できますので履歴を辿れば、これまでの情報を何とか把握できます。もちろん、バックアップについて考慮する必要がありますし、見る側からすれば使い勝手は非常に悪いと思います。ですが、シンプルに導入できる方法ではないかと思います。


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次に考えられるのが、グループウェアの活用です。これは多種多様なサービスが存在しますので、使い勝手がそれぞれ異なりますが、ほとんどの場合、グルーピング機能があり、関連する情報をそこで整理することができるようになっています。やはりこれも、サイト管理に関する情報をそのグループ内でやり取りすれば、ナレッジとして蓄積されていくことになるでしょう。ワークフロー機能を利用して、更新内容のコンセンサスをとったり、進捗管理にも利用できるかもしれません。

その前に、グループウェアを導入していないという組織もあり得ますが、その場合は、是非導入を検討するべきです。Webサイトの管理だけでなく、全ての業務に関して効率化に力を発揮するはずです。小規模なら無料で利用できる優秀なサービスが多数あります。

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無料で使えるグループウェアの一例

Aipo(アイポ)   http://aipo.com/

サイボウズLive  https://live.cybozu.co.jp/

その他にも、CRMやSFAに類するシステムを利用しても、サイト管理に役立てられるものがあると思います。これは、組織により使い易いと感じるものと、そう感じないものがあると思いますので、実験的に導入してベストな管理ツールを選び出す必要があります。いずれにしても、Webサイト管理は、サイト更新に関わる情報を記録し、エビデンスとして残すことが重要で、これらがナレッジに化ければ、やがて別の人に継承しやすい環境が整うのです。これによって、不要な調査にかかる時間を削減し、不要な制作活動を抑え、無駄なコストを削減できるのです。

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